これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

HOME

ビジネスの達人

シナジースペシャル

10/07
2013

sny

「ブラック・ジャック」の貢献

ER=“Emergency Room”すなわち“救急救命室”。
ER専門医とは、救急患者のための医師を指す。
先日、NHKのテレビ番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」
を見ていると、ER専門医がとり上げられていた。

その彼が医師を目指したきっかけは、
手塚治虫氏の名作漫画『ブラック・ジャック』だという。

今までにも何回か医師にスポットをあてた番組を見たことがあるが、
私が覚えている限り、ブラック・ジャックに憧れて…という
医師が何人かいた記憶が!?

つまり、現在日本で活躍している医師の多くは、
ブラック・ジャックに感銘を受けてその道を選んだということだ。

ブラック・ジャックの連載がスタートしたのは、
1973年(なんと40年前!)。
有名な話だが、手塚氏は医師免許を持っていた。

しかし医療技術は年々進化していくため、
いろいろと調べながらの連載ではあったという。
表現や用語のミスで糾弾されることも数多くあったそうだ。

東大医学部の学生から「でたらめを描くな」という
抗議の手紙をもらったこともあったとか
(「東大生ともあろうものが、漫画に嘘があることも知らないのか」
 と、手塚氏も言い返したらしいが!)。

しかし、手塚氏がブラック・ジャックを通して
描きたかったのは医療技術ではない。

「患者の延命を行うことが医師の本当の使命だろうか。
 延命治療を行うことで、本当に患者を幸福にできるのか」
という手塚氏ならではの見地を通した“医師のジレンマ”だ。

手塚氏は自分の描きたいテーマを突き詰めて、
存在感のある情報発信をし続けていた。
当然、肯定的なレスポンスだけが返ってくるわけではないが、
手塚氏は否定的なレスポンスにも屈せずに自分の哲学を貫いた。

だからこそ、結果的に社会や人々に
大きな影響を与える作品を生み出したのだ。

実際にブラック・ジャックに感化されて医師を目指した人は多いし、
目指すべきベクトルについて考えるきっかけを
現役の医師たちにも与えただろう。

もしかしたら、手塚氏ほど“ロングレンジの大局観”を持って
作家活動をしていた人はいないかもしれない。
当時を生きながら、子孫の代まで考えて描いていたのだ。

まさに、たかが漫画、されど漫画!
ブラック・ジャックの貢献、すなわちシナジーはまだまだ続いている。

sny

40年間“憧れの医師”であり続けるブラック・ジャック

ページTOPへ
シナジースペシャル

09/24
2013

syn1

先手必勝ならぬ、先手必照

先手を打つ商品開発は、
思わぬ(思っていたかも)相乗効果を得られる。

家事代行を行う、株式会社ベアーズ。
その創業経営者の高橋ゆき氏はビジ達でも度々ご紹介し、
私がパーソナリティを務める『BUSINESS LAB.』にもご出演いただいた。

先日、NBC(東京ニュービジネス協議会)のイベントで
“広報”という角度から改めてベアーズの事業展開を聴いたのだが、
商品開発の内容とタイミングを理解すると見えてくるものがある。

・2006年法人会員制度導入
女性の社会進出が増え、今や共働きをする夫婦もかなり多い。
それによって家事をこなすことが難しいという女性が増えている。
そんな女性に向けて、家事代行を会社の
新しい形の福利厚生として取り入れてもらうという提案。

・2010年ファミリーサポートサービス
介護は介護を行う家族にも非常に負担の大きいもの。
このファミリーサポートサービスは、
そんな介護する側の人をサポートするサービスだ。

・2012年シニアサポートR60
これは介護サポートサービスではなく、
定年を迎えセカンドライフを送る
アクティブシニアに向けたサービスだ。

この取り上げた3つの商品に共通していることは、
社会背景や時代背景にマッチし、
さらにターゲットが絞られた商品開発がされているということ。

しかも、市場として人々が注目する前に先手を打って
商品開発を行っているのだ。

先手を打てば業界のリーダーシップをとれるだけでなく、
メディアが注目してくれる。
時代の変化を伝えるメディアは、その変化を取り込んだ社会現象、
すなわち新しいサービスや商品に着目して紹介するということだ。

実はベアーズは1999年の創業以来、
ほとんど広告費をかけていないという。
しかし、先手を打って商品開発をしているため、
広報の役割を多くのメディアが担ってくれているのだ。

先手必勝といえるが、
先手はメディアが“必照”してくれるのだ。

ターゲットを絞り込んだ商品開発が、
需要をつくると共に、メディアの注目も集めるということ。

syn1

美人経営者である高橋ゆき氏!

syn2

先手必勝で先手必照!

ページTOPへ
シナジースペシャル

09/17
2013

syn

もっと、日本を美しくする会 発進

2020年オリンピック・パラリンピックの開催地が
「TOKYO」と発表されてから約1週間。
まさに今、“五輪旋風”が日本に巻き起こっている。

そんな中、私中島はと言えば、
毎朝の習慣であるゴミ拾いをしながら、
「果たして海外の人たちが日本を訪れたとき、
“日本はきれい”と本当に思ってくれるのだろうか」
と、考えていた。

やはり海外の方々には、どこを歩いてもゴミの落ちてない、
きれいな日本を見てほしいもの。

しかし、いつものようにカフェで原稿を書いていても、
隣の席で次から次へと営業電話をする
40歳くらいのビジネスマンを発見してしまう現状。
ここにも“ゴミ”が落ちている。

なんて美しくないのだろうか…。
道や植込みの下だけではなく、
こういったカフェでのマナーも美しくあるべきだ。

“もっと”日本を美しくしなければ!

今週のFine Spiritsキーワードでも語っている“仁・義・礼・智・信”、
そして“お・も・て・な・し”という価値観も確かに大切。

しかし、まずは誰でもできる身の回りの環境整備、
マナーや礼儀を守ることの美しさを、
一人ひとりが意識しなければならないと思うのだ。

中島流にキャッチフレーズを付けるとするならば、
『美しい日本、景色も心も美しく!』
こんなところだろう。

そしてやはり考えれば考えるほど、
その最たるものは “掃除”であり、
“環境整備”ということになるのだ。

掃除をすることで、色々なことに気づける、
謙虚になれる、感動する心が芽生える。
掃除こそが、日本の景色も心も美しい方向へと導いてくれるのだ。

7年後、オリンピック競技場や宿泊所、ホテルはもちろん、
東京のどこに行ってもゴミひとつ落ちてない…
なんて状況を見た海外の人は、美しい見た目だけでなく、
この状況をつくりだす日本人の価値観にも感動するのではないだろうか。

「ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる」

こんな価値観のもと、「日本を美しくする会」が発足して20年。
そして、鍵山秀三郎氏が掃除道に取り組んで50年がたった。

このような日本の、日本人の目に見えない価値観こそが
世界に発信したいものなのだ。

2020年に向け“もっと日本を美しくする会”発進!

syn1

東京にオリンピック・パラリンピックがやってくる!

syn2

掃除は美しい心をつくる

syn3

目に見えない価値観を発信していこう!

syn4

“もっと”日本を美しく!

ページTOPへ
シナジースペシャル

09/02
2013

snyTOP

星野リゾート星野エリアとしかけ

先日、軽井沢の星野リゾートの中にある「星野エリア」に行ってきた。
星野エリアは、私が宿泊したホテルブレストンコートや、
そこから道を挟んだ先にある星野温泉 トンボの湯など、その一帯を指す。

ここは、「自然と文化を愛する人々が集う場所」がテーマの商業施設だ。

星野リゾートのホテル利用者だけでなく、
軽井沢に避暑に来た人々など大勢の人々で賑わっていた。
なぜ、こんなに多くの人々で賑わっているのか。
その理由としかけは何なのだろうか。

先にラジオ番組InterFM「BUSINESS LAB.」のゲストで来てくれた
星野佳路(ほしの・よしはる)社長は、こんな話をしてくれた。

それは、企画についての“喧喧諤諤(けんけんがくがく)”という会議の様子だ。
積極的に話し合われる会議の内容は、以前ビジ達で紹介した星野氏の著書の副題
「なぜお客さまはもう一度来てくれたのか」のとおりだ。

もう一度来てくれるためのしかけとは、
緑に囲まれた遊歩道の先にある星野温泉 トンボの湯や、
春楡(はるにれ)の木々を眺め歩くハルニレ テラス、
その中にある軽井沢での生活をテーマにした
物販コーナーなどがつくりだす心地よい空間のことだ。

さらに私が注目したのは、開催されている様々なイベント。
例えば、「1day旅ダイエット」「野鳥の森ネイチャーウォッチング」
「ドキドキ川あそび」などである。若い女性や子ども、親子向けなど
ターゲットがしっかり設定された内容のものが揃っている。

また、これらのイベントはインターネット上でも告知されるため、
それを見て来場する人も少なくない。
ネット上でイベントの予約をして家族で訪れる、なんてこともあるだろう。

レストランと物販をただ合わせた商業施設は他にもたくさんある。
だがここでは、他では体験できない軽井沢という非日常を、
イベントを通して楽しむことができるのだ。

このように、星野エリア全体とイベントで相乗効果を狙った工夫こそ、
多くのお客さまが足を運ぶ大きな要因に他ならないだろう。
この企画に実際に関わったスタッフたちは、
自分たちが提案するからこそ、全力でお客さまのための展開をしてきたのだ。
まさにそこにはシナジーが生まれている。

星野エリアには、上下関係を越え、各々が意見を出し合う“喧喧諤諤”な関係と、
そこから生まれるシナジーがある。
そのシナジーがお客さまにも伝わり、満足感を与え、
“もう一度来たくなる”を演出しているのだろう。


sny (2)

これを片手に散策開始!

sny (1)

特別な雰囲気は非日常的!

sny (3)

ゆっくりと流れる時間

sny (4)

この賑わいの秘密は…?

sny (5)

石の教会で挙式する人も多いそうだ

sny (6)

今度は星のやにも宿泊してみたい…

ページTOPへ
シナジースペシャル

08/19
2013

syn (1)

“暗黙知”で選ばれる

世の中にはさまざまな飲食店がある。
しかし、そんな数多の店の中で
多くのお客さまに選ばれる店が存在する。

その鍵は、数値化できない心配り=“暗黙知”
にあるのではないだろうか。

私がよく利用させてもらっている
神楽坂の居酒屋・椿々(ちんちん)に、
食のコンサルタント・大久保一彦氏と訪れた。

椿々は約20店舗を展開するチェーン店の1つで、
手頃な値段でおいしい料理が楽しめることから、
店内はいつもお客さまでにぎわっている。

数々の居酒屋を見てきている大久保氏は、椿々を訪れて
「お客さまとの接触を大切にしているところ
(大久保氏流に言うと“接触デザイン”)がポイントですね」
と語った。

たとえば、お通しのサラダは3種類のドレッシングから選べるのだが、
その際のやりとりでお客さまとスタッフの
ちょっとした会話が生まれる。

さらに、その日おすすめのお刺身を教えてくれたり、
オリジナルの炙りしめ鯖にはわさびではなく
からしをつけて食べてくださいと言われたり…。

つまり、お客さまとスタッフが接触する場を、
意図的に多く持とうとしているのだ。

マニュアル頼りのチェーン店の場合、接触を極力少なくして
問題が起きないよう対応しようとする傾向にある。

大久保氏曰く、繁盛しない店は
お客さまとの接触を重要視せず、うまく流して終わろうとする。
この対応こそが、お客さまが次に選ばない理由になっているという。

大久保氏は、焼肉店の“キムチ”について声高に語る。
焼肉店でのお客さまとの最初の接点は
キムチを提供するシーンになることが多い。

お客さまとの関係づくりに配慮している店は、
立ち止まり方やキムチの置き方、表情、
やりとりの声のトーンにまで気を遣っているという。
さらに、家族やカップル、同性同士など客層が異なる場合は
その関係に合わせて臨機応変に対応するのだと。

どういう風に接すれば、お客さまが
気持ちよく時間を過ごせるかを先回りして考え、
お客さまの様子を見ながらコミュニケーションをとっていく。

この気配りの積み重ねこそが、繁盛店の秘訣。
すなわちマニュアルにできない“暗黙知”こそが決めてなのだ。

大久保氏は、繁盛する店はこの“暗黙知”を
スタッフに伝授するために台本をつくり、
ロールプレイングを何度も何度も繰り返すという。

特別な食材を使ったりしない限り、
チェーン店で出される料理の値段や質に大差はない。
競合が多い世界の中でお客さまに選ばれるためには、
数値や言葉だけでは説明できない“暗黙知”こそが違いの基となる。

これは飲食店に限らず、あらゆるビジネスでも同じことだろう!
このなかなか伝えにくい“暗黙知”こそが、
これからのビジネスのキモになってくる。

syn (1)

炙りしめ鯖はからしでね!

syn (2)

あ! あの蟹いいなぁ~

syn (3)

通いたくなる理由は、味だけではないのだ。

ページTOPへ

BACKNUMBER

ページTOPへ