これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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シナジースペシャル

09/02
2013

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星野リゾート星野エリアとしかけ

先日、軽井沢の星野リゾートの中にある「星野エリア」に行ってきた。
星野エリアは、私が宿泊したホテルブレストンコートや、
そこから道を挟んだ先にある星野温泉 トンボの湯など、その一帯を指す。

ここは、「自然と文化を愛する人々が集う場所」がテーマの商業施設だ。

星野リゾートのホテル利用者だけでなく、
軽井沢に避暑に来た人々など大勢の人々で賑わっていた。
なぜ、こんなに多くの人々で賑わっているのか。
その理由としかけは何なのだろうか。

先にラジオ番組InterFM「BUSINESS LAB.」のゲストで来てくれた
星野佳路(ほしの・よしはる)社長は、こんな話をしてくれた。

それは、企画についての“喧喧諤諤(けんけんがくがく)”という会議の様子だ。
積極的に話し合われる会議の内容は、以前ビジ達で紹介した星野氏の著書の副題
「なぜお客さまはもう一度来てくれたのか」のとおりだ。

もう一度来てくれるためのしかけとは、
緑に囲まれた遊歩道の先にある星野温泉 トンボの湯や、
春楡(はるにれ)の木々を眺め歩くハルニレ テラス、
その中にある軽井沢での生活をテーマにした
物販コーナーなどがつくりだす心地よい空間のことだ。

さらに私が注目したのは、開催されている様々なイベント。
例えば、「1day旅ダイエット」「野鳥の森ネイチャーウォッチング」
「ドキドキ川あそび」などである。若い女性や子ども、親子向けなど
ターゲットがしっかり設定された内容のものが揃っている。

また、これらのイベントはインターネット上でも告知されるため、
それを見て来場する人も少なくない。
ネット上でイベントの予約をして家族で訪れる、なんてこともあるだろう。

レストランと物販をただ合わせた商業施設は他にもたくさんある。
だがここでは、他では体験できない軽井沢という非日常を、
イベントを通して楽しむことができるのだ。

このように、星野エリア全体とイベントで相乗効果を狙った工夫こそ、
多くのお客さまが足を運ぶ大きな要因に他ならないだろう。
この企画に実際に関わったスタッフたちは、
自分たちが提案するからこそ、全力でお客さまのための展開をしてきたのだ。
まさにそこにはシナジーが生まれている。

星野エリアには、上下関係を越え、各々が意見を出し合う“喧喧諤諤”な関係と、
そこから生まれるシナジーがある。
そのシナジーがお客さまにも伝わり、満足感を与え、
“もう一度来たくなる”を演出しているのだろう。


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これを片手に散策開始!

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特別な雰囲気は非日常的!

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ゆっくりと流れる時間

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この賑わいの秘密は…?

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石の教会で挙式する人も多いそうだ

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今度は星のやにも宿泊してみたい…

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08/19
2013

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“暗黙知”で選ばれる

世の中にはさまざまな飲食店がある。
しかし、そんな数多の店の中で
多くのお客さまに選ばれる店が存在する。

その鍵は、数値化できない心配り=“暗黙知”
にあるのではないだろうか。

私がよく利用させてもらっている
神楽坂の居酒屋・椿々(ちんちん)に、
食のコンサルタント・大久保一彦氏と訪れた。

椿々は約20店舗を展開するチェーン店の1つで、
手頃な値段でおいしい料理が楽しめることから、
店内はいつもお客さまでにぎわっている。

数々の居酒屋を見てきている大久保氏は、椿々を訪れて
「お客さまとの接触を大切にしているところ
(大久保氏流に言うと“接触デザイン”)がポイントですね」
と語った。

たとえば、お通しのサラダは3種類のドレッシングから選べるのだが、
その際のやりとりでお客さまとスタッフの
ちょっとした会話が生まれる。

さらに、その日おすすめのお刺身を教えてくれたり、
オリジナルの炙りしめ鯖にはわさびではなく
からしをつけて食べてくださいと言われたり…。

つまり、お客さまとスタッフが接触する場を、
意図的に多く持とうとしているのだ。

マニュアル頼りのチェーン店の場合、接触を極力少なくして
問題が起きないよう対応しようとする傾向にある。

大久保氏曰く、繁盛しない店は
お客さまとの接触を重要視せず、うまく流して終わろうとする。
この対応こそが、お客さまが次に選ばない理由になっているという。

大久保氏は、焼肉店の“キムチ”について声高に語る。
焼肉店でのお客さまとの最初の接点は
キムチを提供するシーンになることが多い。

お客さまとの関係づくりに配慮している店は、
立ち止まり方やキムチの置き方、表情、
やりとりの声のトーンにまで気を遣っているという。
さらに、家族やカップル、同性同士など客層が異なる場合は
その関係に合わせて臨機応変に対応するのだと。

どういう風に接すれば、お客さまが
気持ちよく時間を過ごせるかを先回りして考え、
お客さまの様子を見ながらコミュニケーションをとっていく。

この気配りの積み重ねこそが、繁盛店の秘訣。
すなわちマニュアルにできない“暗黙知”こそが決めてなのだ。

大久保氏は、繁盛する店はこの“暗黙知”を
スタッフに伝授するために台本をつくり、
ロールプレイングを何度も何度も繰り返すという。

特別な食材を使ったりしない限り、
チェーン店で出される料理の値段や質に大差はない。
競合が多い世界の中でお客さまに選ばれるためには、
数値や言葉だけでは説明できない“暗黙知”こそが違いの基となる。

これは飲食店に限らず、あらゆるビジネスでも同じことだろう!
このなかなか伝えにくい“暗黙知”こそが、
これからのビジネスのキモになってくる。

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炙りしめ鯖はからしでね!

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あ! あの蟹いいなぁ~

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通いたくなる理由は、味だけではないのだ。

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08/05
2013

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“アグリツーリズム”の時代

マクドナルドでチキンナゲットを食べている子どもたちが、
「これって木になってるんだっけ?」と言っていた…
というなんとも衝撃的な話を聞いたことがある。

確かに、鳥の原形をとどめていないナゲットしか知らなければ、
そんな発想になってしまうのかもしれない。

友人の出身地・石川県は能登島を訪れて
“アグリツーリズム(?)”を体験した
(実は2年前に本場イタリアでも体験したことがある)。

“アグリツーリズム”とは、農場などに滞在し
農業体験をしながら過ごす余暇活動のこと。
今回は、どちらかというと漁業が中心だけど…。

能登島では、岩牡蠣やサザエ、ナメラ
(関西では高級魚の仲間。煮つけにすると美味しい!)
などの漁を体験し、そして食べるという日々。

アジのたたきに使う玉ネギやショウガは、
もちろん家の畑で採れたもの。
バーベキューの網の上には、私がついさっき畑から採ってきた
ナスやピーマン、ししとうが並んでいる。

漁のためには朝4時頃に海に出て、
前日の夕方にしかけた網を引きあげる。
そうしないとかかった魚が他の魚に食べられてしまうのだ。
また、サザエや岩牡蠣の殻には突起が多くケガをしやすいので、
収獲する際は軍手が必須だ。

日々の生活の中で海に対面するシーンはなかなかないが、
実際に接してみると新たな発見が多く新鮮だった。
私は農業についてはかなり詳しいのだが、
漁業については“からきし”状態。

魚や野菜が私たちの口に入るまでにどんなプロセスがあるのか。
どんなプロの技を経ての結果なのか。
これは自分の目で見て体験してみないと実感が持てないだろう。

戦後60数年を経て、食べることに対するありがたみが
薄れている気がしてならない。国の経済が発展していく中で、
生活と農業・漁業は乖離(かいり)してしまった。

スーパーへ行けば手軽にたくさんの食材が手に入り、
飲食店に入ればいつでも食べ物がある。
それが当たり前になりすぎて、
人間が生きるためには太陽と土(地球)の世話になり、
多くの命をいただいて日々を過ごしている
という意識が希薄になっている。

リセットボタンを押せないリアリティゲーム。
これが私たちの生活なのだ。
現代の人々がジムやTVゲームで発散しているエネルギーは、
畑仕事や漁に向けて循環させるのが本来なのだが…。

「いただきます」という言葉は、
さまざまな命をいただいていることへの感謝の言葉なのだ。
しかしその言葉の本来の意味は忘れられ、
形骸化した食事の前のあいさつとされてしまっている。

もう一度原点にかえる意味でも、今の時代に
“アグリツーリズム”が必要とされているということだ。

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これ、ぜーんぶ自分たちで採(獲)ったもの!

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プリップリの岩牡蠣!

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海の恵みに感謝。

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07/29
2013

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“超シナジー”をプロデュースする

「超シナジー」。
普通よりもっと高いレベルの相乗効果が起きた時に、
多くの人たちが選びたくなるようなビジネスやものがうまれること。

その1つとして、今週のおすすめ本でも注目している
『まずいラーメン屋はどこへ消えた?
「椅子取りゲーム社会」で生き残る方法』の
作者・岩崎夏海氏の『もしドラ』がある。

『もしドラ』とは、岩崎夏海氏の代表作ともいえる
『もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの『マネジメント』を読んだら』のこと。

経済評論家のP.F.ドラッカーの
『マネジメント』を読んだ主人公がそれにならって、
自分がマネージャーを務めるチームの定義づけを始める…
といった内容で、
なんと累計で約270万部も売り上げたという。

単行本の売り上げだけではなく、
映画化もされたわけなのだが、
これほどまでのヒット作となった(超シナジーを呼び込んだ)
ポイントは何だったのだろうか。

その理由を探るべく、
他の事例を考えようとしたときに頭に浮かんだのが、
スタジオジブリの宮崎駿氏だ。

1984年に『風の谷のナウシカ』が公開されてから、
最新作『風立ちぬ』まで29年。
その間、数々のヒット作を世に送り出してきた。

宮崎氏の作品が多くの人たちから選ばれる理由は、
その時代ごとに人々が心のどこかで
求めているストーリーを形にしていること。

そして、どの作品にも共通した人間観(?)を感じる。
すなわち、宮崎駿氏のブレない価値観や、
哲理哲学がストーリーの奥底にしっかり反映されているからだろう。

そういえば、このところ会長となった島耕作も
“超シナジー”なのかもしれない。
弘兼憲史氏のつくるあのストーリーには
人としての生き方・“島耕作道”が見えてくるのだ。

やっぱり“超シナジー”の発現には、
その時代を反映させたものと、
時代に左右されず、変わらない価値観のようなものが…。

すなわち、“超シナジー”をプロデュースするには、
時代に合わせて変えるものと変えてはいけない
“不易流行”を捉えること。

つまり、シナジーであるための数学のように
公式化することは難しいが、
哲理哲学や変わってはいけない価値観をベースに、
その上にいろいろな要素を絡めていくことが、
超シナジーをプロデュースすることにつながっていくのだ。

この両方が揃っていれば、
超シナジーを必ず演出できるかといえばまた別だが、
必要条件ではあることは確かだ。

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社長になった島耕作も“超シナジー”!

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累計で約270万部も!!

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07/16
2013

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視察研修のフィードバック

視察研修はやはり学ぶことが多い。
普段の生活の中で気付けないことも、視察研修に参加することで、
自分たちの仕事を客観的に見直すきっかけになるからだ。
これを中島流にいうと“α力学”という。

つい先日も、あの奇跡のリンゴで知られる木村秋則氏が
10年前に訪れたという、関野農園に視察へ行ってきた。

今回はナスやトマト、きゅうりなどの自然栽培の農園を
関野さんのお話と共に視察させてもらったのだが、
なかなかできない大変をさせていただいた。

大根の種を取る体験。
なるほど、大根はこんな風に種を取って、育っていただんだぁ。
いろいろと、学びの多い研修だった。

私がここで語りたいことは視察される側にも
メリットがあるということ。

私は視察研修には研修する側はもちろん、
視察される側にもメリットがあると考えているからだ。

考えられるメリットの1つは、
“オープンソース化”。

奇跡のリンゴの木村秋則氏によって、認知度が高まった自然栽培だが、
まだまだ多くの人たちは研究途上である。

同じく自然栽培を実践する人たちに向けて、
自身のノウハウを公開することで、
他の人たちの意見やアドバイスを得ることができる。

またそれだけではなく、その公開された情報を活用して、
自然栽培をする人が生まれる。
そうすることで、新たな事例や新たなノウハウを共有化でき、
それが次なる栽培にも活かされるのだ。

2つ目は関野さんの“情報の集約と構築”。

20数名の方へ、情報をより分かりやすく伝えるために
情報の整理整頓が必要となり、
集約化が図れる共に立体的構築化のきっかけにもなる。

つまり、公開することによって情報の整理整頓ができ、
相乗効果も期待できるということ。

私のセミナーでも参加させていただいた、
和菓子の老舗・虎屋も工場見学を受け入れていて、
多くの人へ情報を伝えるために情報の整理や社内の
こだわりや大切にすべきことの集約化もできるのだそうだ。

ここにも“α力学”。

視察研修の場とすることは
いろいろな手間が取られ時間を使うことにとなるが、
いつもと違った一段上からの視点で自分たちの仕事を見ることで、
自然と客観視することができ、考えるきっかけになるのではないだろうか。

これほど多くのフィードバックがある視察研修。
これからも私の主催するセミナーには視察研修を取り入れ、
自分でも機会があれば積極的に参加しよ~っと。


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視察する側もされる側にもフィードバックが!

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採れたての野菜は格別だね!

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ここから種を収穫するぞ~

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これが大根の種!

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