04/21
2014
老舗野田岩の選ばルール7
「“土用の丑の日”にお店を閉める理由って何ですか?」
老舗うなぎ専門店、野田岩の5代目当主・金本兼次郎氏をお招きした、
先日のアルファクラブ定例セミナーで飛び出た参加者からの質問だ。
実際、野田岩麻布本店では、土用の丑の日はいつも
休業しているという(驚きだ!)。
それは、通常の3倍以上も注文が殺到することで、
提供するうなぎの質を落としかねないからだという。
もっとわかり易く言うと、野田岩の顧客に、
いつもの「野田岩のうなぎの味」を提供できない可能性が
出てくるから、なのである。
まさに、プロフェッショナルならではの発想と心遣いだ。
だからこそ、創業から200年以上経った現代でも店と味が
受け継がれ、選ばれ続けてきたのだろう。
ここでふと思い浮かんだのは、常に選ばれるためのルール
“選ばルール7(セブン)”!
これは、私が数十年前に提唱したもので、
多くの選ばれてきた食から学んだビジネスメゾットのこと。
野田岩が人々に選ばれる理由は、
まさにこのルールを以下のように守っていたためなのだろう。
<老舗野田岩の選ばルール7>
(1)天然うなぎを積極的に使用するなど「本物にこだわる」こと。
(2)うなぎにかける時間を惜しまず、次代の職人も自社で育成
するなどうなぎと人に「手間をかける」こと。
(3)野田岩ならではの美味しくて品のある味を、「とことん追求する」こと。
(4)厨房にこもらず、お客さまの元へ自ら足を運んで接客して
「必要以上のコミュニケーションを図る」こと
(あの建物や空間づくりもコミュニケーションなのかも)。
(5)とにかく、86歳の今も毎朝4時過ぎに起きてうなぎを捌いているように、
常に「積小為大の発想」をしていること。
(6)既存の枠にとらわれず、和食(うなぎ)と白ワインの組み合わせを提案するなど、
「大胆で潔い決断をする」こと。
(7)とにかく、5代目当主として70数年間仕事に立つという
「徹底した日々を送っている」ということ。
これらを徹底継続しているからこそ、
野田岩ではあのふっくらとした上質なうなぎを提供し続けることができるのだ。
さらには、土用の丑の日に店を閉めても、
人々に選ばれ続けているということだろう。
とにかく、誰をおつれしても、
みなさんに喜んでいただけるのは確かだ。