01/07
2013
不易流行の“仕事道”
「不易を知ら座れば基立≪もとたち≫がたく、
流行を辨≪わきま≫へざれば風あたらにならず」
これは俳人・松尾芭蕉が旅の途中で体得した概念。
不変の真理を知らなければ基礎が確立せず、
時代の変化を知らなければ新たな進展がない。
という意味だ。
俳句というものは、句を詠む手法は
変わらないけれど、語っていくテーマは
時代とともに変わっていくもの。
常に流行は意識しながらも、
俳句の根本の考え方は変えない。
そこから、松尾芭蕉は、世の中とは、
変わらないもの(変えてはいけないもの)と
変わるもの(変えていかなければいけないもの)で
構成されているのだと語っているのだ。
この不易流行の考えは他でも度々目にする。
例えば、少し前にビジ達でも紹介した
虎屋の17代目当主である黒川氏は、
“伝統とは革新の連続である”と語っていた。
虎屋のメーカーとしての本来の考え方は
活かしつつも、時代の変化に合わせて革新し、
お客さまに選ばれる努力をしてこなければ、
500年もの間、続けてこられなかったということ。
先日、ある雑誌でも「不易流行」が
テーマになっていた。
ある人が案内された神社は、
50年前に修復を行ったという。
その時に寄付をしてくれた協賛会社の数は100社。
50年たった今、その協賛会社で
現在も続いているのは
なんとたったの1社だという。
1,000社のうち、100年後に生き残れるのは
2~3社という定説から考えれば、
この神社の例も妥当な数字。
100年後も会社を続けていくには、
時代の流れ・価値観の変化に
対応していく必要があるのだ。
私が語る“仕事道”もまた不易流行。
変えてはいけないところと、
時代の流れに合わせて変化させなくては
ならないところを分かりながら展開していかないと、
お客さまに選ばれ続けるビジネスはできない。
とにかくチャレンジを続けなくては、
未来は見えてこないだろう。