03/18
2013
“奇跡のりんご”へのプロセス
「そのりんごは、ピンポン玉より
少し小さいサイズだったもんだから、
だれも振り向いてくれないの。
しまいには『どっから拾ってきたんですか』と…」
あの奇跡のりんごの木村秋則さんは、
10年以上の試行錯誤の末、
やっと実を結んだりんごを携えて大阪駅に着いた。
しかし、目の前を通り過ぎる誰もが“無農薬無肥料”の
言葉に耳を貸してはくれなかったという。
今から30年くらい前のことだから、
無農薬に対してもあまり関心がなかったのだ。
ただ3人づれのおばさまが、
声を掛けたことで少しだけ興味を持ってくれ、
5~6個だけ買ってくれると言ってくれた。
「いや、誰も買ってくれないから、
あげるからたくさん持っていって」と、
袋に入れて渡したという。
その人たちからの口コミで、次第に次第に
“奇跡のりんご”は拡がっていったのだ。
どんなことにも、プロセスがある。
そのプロセスを経て、いまにつながってくるのだ。
いまや、人気があり過ぎて、木村さんのりんごを
口にできる人は、ほんの一部の人たちだけだという。
あの10年の苦難のときがあったから、
いまにつながっている。
いろいろな課題が目の前に山積みしていても、
いまをプロセスととらえられるだろうか。
どんなに大変な状況であっても、
いまを“プロセス”ととらえられるだろうか。
私たちは、いまを未来の“存在理由”のための
“プロセス”ととらえられるだろうか。
木村秋則さんのマネはさすがにできないが、
その圧縮版ならできるかもしれない。