04/01
2013
なぜ、KITTEは自然素材?
「フンフン、ま~た丸の内にショッピングモールを
作っちゃったんだ~」なんて思っていたのだが…。
3月21日に東京・丸の内にオープンしたKITTE(キッテ)は、
日本郵便が初めて手掛ける商業施設。
都心部には六本木ヒルズやミッドタウン、表参道ヒルズなど
すでにたくさんのショッピングモールがある。
そして、この度KITTEがオープンした
丸の内エリアにもすでに点在している。
レストランがあって物販店舗が軒を並べて…と
私には正直どの商業施設も大差なく感じられてしまうので、
例に洩れず、ここも同じだろうとあまり期待はしていなかった。
ところが、KITTEに訪れると「あれ? なんだか居心地がいい」。
それもそのはず、フロアによって材質は違うものの
床はすべて木製なのだ。
物販店舗内のインテリアも木の持ち味を生かしたものが多い。
ガラス張りの天井からは陽光が降りそそぎ、
やわらかい雰囲気の照明と相まって
非常に心地いい空間がつくりあげられている。
これまでの“ピカピカ”なショッピングモールとはどこか違う!
そんなぬくもりある内装をデザインしたのは
建築家の隈 研吾(くま けんご)氏。
日本各地の自然素材を用いて、
「光の空間」「線の空間」「記憶を紡ぐ空間」を
コンセプトにデザインしたという。
以前から日本の文化や素材を大切にする建築家と伺っていたが、
まさにその通り!
飲食店フロアでは「柔らかい木の空間」をテーマに
福岡県久留米市のナラ材やクリ材を使用したり、
隈氏の素材選びのセンスが光る。
単に木材のぬくもりがあるだけでなく明確なコンセプトに基づいているから、
この心地よさと安心感が演出されているのだ。
隈氏はイバッた建築や自己主張の強い建築が大嫌いで、
ずっとアンチテーゼを唱えてきたそうだ。
目新しさだけを求めて自己主張するのではなく、
多くの人たちが気持ちよく安らげる空間であれば、
長きに渡り選ばれ続けていくだろう!
私も、そろそろ自己主張を抑えていかなければ…。