12/16
2013
『大切なものは、目に見えない』
「大切なものは見えないところにある」。
先日、ビジ達でもおなじみの、
奇跡のリンゴで知られる
木村秋則氏のお話を改めて聴いて確信した。
そう思わせてくれた木村氏の話はこうだ。
「それまで私は、地面のうえばかりを見ていて、
目に見えない根っこのほう…
つまり土を見ようとしていなかった。
土を見ないで葉っぱや枝の見えるところだけを見て、
一生懸命堆肥を与えたり雑草を刈ったり…。
リンゴの木が弱ったのは、病気や虫のせいだとばかり…。
リンゴの木にすくすく育ってもらうためには、
たくさんのバクテリアが生きる
豊かな土を育てることが大切だったのだ。
答えは自分のすぐ足元にあった」。と。
これは時間はかかるが、目に見えない足元にこそ、
大切なものがあったということだ。
この話を聞いて、ビジ達でも紹介した
「新幹線お掃除の天使たち」で知られる、
「JR東日本テクノハートTESSEI(以下テッセイ)」を思い出した。
“お掃除の天使たち”の仕掛け人である
矢部輝夫専務(当時)が赴任した当初は、
会社や従業員(パートやアルバイト)に活気がなかった。
そこで矢部氏は、仕事を「清掃業」ではなく、
「サービス業」として再定義したのだ。
お客さまへサービスの一貫として掃除をし、
スタッフのアイデアを活かし、
会社の風土を少しずつ立て直していったのである。
そういった取り組みから一人ひとりの
“仕事の誇り”を根づかせていくことで、
海外視察団も絶賛する「新幹線お掃除の天使たち」が生まれ、
改革に成功したのだ。
この話からも分かるように、
大切なのは目に見えない風土づくり。
木村氏の言う土壌なのだ。
あなたが部下や後輩を教育する立場の人としよう。
どうしたら、本当の意味で部下を成長させ、
そして成果にも現れてくるのか。
そして、あなたの会社にとっての
“風土づくり”とは、どういうことなのか。
私が木村氏の本を読み、
さらに聴いた話をもとに、つくりあげた概念が
“アップルツリーパラダイム(リンゴの木の教え)”。
まさに、見えないところに
本当に大切なものがあるということ。
そして、その構築は“一朝一夕にはいかない”
“ローマは一日にして成らず”である。
木村さんも11年。テッセイも8年かかったという。
大切なものは“目に見えない”。
それがポイントなのだろう。