07/13
2015
現実は小説より奇なり
言葉を切り、スオッルはヴァンを見つめた。
「奴らの前には獲物じゃなくて、先導者がいたのさ。
――何がいたと思う?」
ヴァンは眉根を寄せたまま、言った。
「男、ですか」
スオッルは首をふった。
「人じゃねぇ」
その目がちかっと光った。
「驚くなかれ、先導してたなぁ、
一頭の狼だった」
いいねぇ~~。
それまでの展開と変わり、また次なる投げかけが。
「鹿の王」も下巻の後半に入り、
次第にクライマックスへと入っていく…(?)
本屋大賞第1位の上橋菜穂子(うえはしなほこ)
著の「鹿の王」だ。
昨年の本屋大賞は下巻の途中で
私的には盛り上がらず、
残念ながら挫折してしまった。
一昨年の大賞は例の「海賊とよばれた男」であり
とにかく次の展開が気になり、
勢いを持って読んだ記憶が。
この下巻の後半あたりが何と
言ってもポイントかもしれない。
ここで、どのくらい読者が盛り上がるか…。
そして、そのページのめくり方に勢いを持たせられるかだ。
ここで改めて気づいたことだが…
リアル本はその厚みを意識しながら
読んでいけるわけで、
いま下巻の中頃ということは、
そろそろ、クライマックスに向けた
投げかけであったり、
新たな展開が用意される頃だと思って、
読み進めている自分がそこにいる。
確かに本の厚みであり、残されたページで
読者はその期待の準備をしてしまっているということ。
映画であれば、上映時間からいつの間にか割出し、
準備をしてしまっているのだ。
そう考えると「鹿の王」はいま下巻の3分の1程を
残すのみとなった。
ここで盛り上がらないでどうするってとこだろうか。
いい感じで、先に読み進めたい気分なのだ。
ここで中島流、三段跳び展開!
ところで、私が主役のこの人生は、
いまどの辺なのだろうか…
小説のように本の厚みも明確でないし…
時間という寿命もはっきりしていないし…
(でも、還暦だし…)
もしかすると会社をある程度、
軌道に乗せるのが上巻の
テーマだったのだろうか?
もう上巻は終わったのだろうか?
下巻に入っているのか?
とにかく“美生ワインヴァレー構想”は
これからのチャレンジだしねぇ。
やっと下巻に入った頃だろう。
では、後半のクライマックスは
いつ頃どんな展開でやってくるのだろうか。
いやいや、自分の人生は自分次第で
いろいろな展開を創りだせるということ!?
確かに未来のことだし、そういうことだ。
では、上橋菜穂子氏が描く小説以上に
奇想天外な展開にしてみようかなぁ~
だって“現実は小説より奇なり”というし…!