07/25
2016
“マムシグサ”の美しさから学ぶ
久々の高尾山。
あるシーズンには、10回も通ったこともある高尾山。
599メートルは私にとっては、ハイキングなのだ。
それにしても今回のモバイルショットはすばらしい!
そして美しいのだ。
その果実のトップは、紫に赤い斑点。
そして赤い実がとにかく鮮やか。
誰かがクリームをつけてガーゼで
磨いたような朱赤の実。
その下にはピーマン色の鮮やかな緑。
この朱赤と緑のコントラストがまた美しい。
たぶんこの脇道を通った人は、
誰もがカメラを構えたはず。
このいろいろなものが
混在する山の中にあっては、
とにかく目立つのだ。
もう気付いた人もいると思うが、
この美しさに危険を感じた人も多いことだろう。
人は、あまりにも鮮やか過ぎ、
そして美し過ぎると、“警告”がもたらされるのだ。
多くの人が集まるパーティーなどで、
こんな存在の女性が現れると、
多くの男性には警告が発せられるはずだ。
“近づくなと…”
(でも近づいてしまうんだよねぇ~)
そろそろこの美しい植物の名を明かそう。
“マムシグサ”という。
(もちろん、私も帰ってから調べたわけだが…)
まぁ、その名前もすでに怪しいが…
とにかく、実から茎、根まで全身に毒性があるという。
(ほらほら、美しい花には棘があるだろう)
もっと調べていくと、その毒性をわかっていて、
この実を口にしたひとが結構いるのだ。
(まぁ~怖いもの見たさというか…)
「ピリピリして死ぬかと思った」
「背中が寒くなるほど不快な刺激が口に残る」
「無数の小さな針で舌を突き刺される感じ」
「唾液で口の中を洗浄しようとすると、
舌の裏側に痛みが…」
「唇も腫れている感じ」
(このくらいで十分でしょう)
実は、下山を始めてすぐに出会ったわけだが、
この美しさを目にした途端に私は
その毒性を感じていたのだ。
(調べていて“やっぱり”というわけ)
うんうん、60数年の経験からというか…、
いや、その美しさにつられて、
何度も痛い目に合ったという話ではない。
ビジネスっぽく言えば、
あまりに都合がいいタイミングで
欲しいものが現れたときは、
要注意ってこと。
紹介だからと言って、
調子よくいい話を持ち込まれたときにも
警戒が必要!
私のように、常にこちら側から仕掛けるタイプ、
すなわち次から次へとチャレンジする人には、
甘い罠はほとんどやって来ないのだが…、
いい話はないかと待っている人には、
やって来るので要注意のこと。
結果、社会性のある大きなテーマを持って、
チャレンジしている人には“マムシグサ”は
魅力的に観えないということだ。
この美しさを見た途端に、1歩2歩と後退するはず。
ところで、あの鮮やかさ、
美しさは誰のためなのだろう。
カメラマンのため?
山を登る人のため?
それとも、他の動物もあの鮮やかさに惹かれて
犠牲になっているのかもしれない。
ここで改めて、
美しい花には棘があることを、心に記しておこう。