12/04
2017
「田中家の家族史」による温故知新
「日本を美しくする会」を24年間務め、
退任後顧問となられた田中義人会長(経営者としてはまだ現役)。
実は2年ほど前、岐阜県恵那市に住むこの田中家の
「家族史」の制作をお手伝いしたことがある。
約50ページにわたるこの家族史は
「田中家の無形の財産を次の世代に繋ぎたい」という
田中会長の熱い想いにより作られた。
内容は、田中会長のご両親の生き方を中心に、
ノンフィクションの物語風に構成されていく。
当時の写真はあまり多くないため、
物語の切り替えには、特徴的なシーンをイラストに起こし展開した。
その中で、田中会長はこの事を
孫子の代に伝え残したかったのだろう、と感じる印象的な場面があった。
田中会長の父親(田中春雄氏)が、
新たな商売を模索していた時期の話。
「何か新しい商売はないか。
とはいえ、恵那の人たちに迷惑をかけたり、
人の仕事を奪うような真似はしたくない。
これまでにない初めての仕事じゃなければいけない。」
春雄氏の、地域に貢献できる商売をするんだという
意志が伝わってくる言葉だ。
その後、様々な苦難がありながらも、
今では地域にしっかりと根ざした中堅企業となっている。
ビジネスにおいて、
このような軸となるこだわりを持つことは、
重要ではないだろうか。
今回、改めて「田中家の家族史」を手に取り、
気づいたことがある。
それは、家族の歴史を振り返ることは
まさに“温故知新”なのだ、ということ。
家族史の冒頭には、
田中会長がご両親と地域に対する想いを語った
こんな言葉がある。
「恵那の地をこよなく愛し、
地域の人たちに喜ばれることを励みとし、
仕事や社会活動に心血を注いだ春雄と政榮。
私は、その足跡をたどったこの家族史を通じて、
ふたりが示してくれた
『徳を継承し、不徳を戒めていく』という
素晴らしい生き方の財産を次の世代へと伝えたい。」
時代背景だけでなく、
先代の生き方や価値観、仕事に対する信念を知る。
そして、なぜ今自分たちがここに至るのかを考える。
そうすることで自ずと、
これからの自分たちが大切にするべきことも見えてくるのだ。
これぞまさに“温故知新”、古きを訪ねて新しきを知るってこと。
今一度、自分自身のルーツを振り返り、
先代、先々代が何にこだわって生きたのかを知ってみるのも良いだろう。
私の場合は家族史じゃなくて、
自分1人の中島史でもいいかなぁ~…。
ここまででは、それほどの物語性はないような…。
そう、ここからのMemuroワインヴァレー構想を
成功に導いてこそ、物語はクライマックスへ…ふっふっふ。
(あれっ、ところで誰が読むんだろう)