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選ばれる仕事道

12/20
2021

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ココ・ファームの川田昇流、SDGsの実践 ~“SDGs”を知らなくとも、社会貢献はできる!~

先週、ビジ達で“ヴィンヤード多摩”の
ブランディングのお手伝いをしていることに触れた。
ブランディングに向け話をしている時に、“ヴィンヤード多摩”は
地域の障がいを持った方々や地域の福祉をも考えた
ワイナリーの展開を目指していると聞いた。
“ヴィンヤード多摩”の二人の経営者は地域の歯科医でもあり、
この地域の人たちの課題の解決をもしようとしている。

この話をしていた時に“ココ・ファーム・ワイナリー”の
川田昇先生を思い出し参考事例として紹介させてもらった。

今から7年ほど前の2014年6月にもビジ達で
紹介したのだが、ここで改めて紹介しよう。
川田先生は義務教育を終えようとしている
知的障がいを持った教え子たちが、
自ら生計を立てる術がないことに気がつく。
そこで、今から約70年前の1950年代、
川田先生は卒業後の“障がい者の働く場所”を考え、
栃木県足利市に三角山を自費で購入。
特殊学級の少年達と一緒に急斜面の山を切り開き、
600本あまりのぶどうの苗木を植え、
こども達とブドウづくりに取り組むことにした。
1969年には、この山のぶどう畑の隣に、
知的障がいを持つ人のための「こころみ学園」ができた。
そして、1980年、山のふもとのぶどう小屋と呼ばれた小さな小屋は、
“ココ・ファーム・ワイナリー”として産声をあげた。

ぶどう畑での農作業は知的障がい者にとって、
本来の人間の感覚を取り戻してくれるいい環境だという。
農作業の結果、健康に過ごせ、気持ちの上でも
達成感も得られていった。
長生きできないと思われていた障がい者たちだったが
結果的に川田先生を看取ることにもなった。
農作業には彼らを包み込むキャパシティがあるということ。

私が川田昇先生に会いにいった時は
先生はすでに88歳の高齢だった。
2010年に他界され、自分の財産はもとより、
自分の人生をもこどもたちのために捧げた人生だった。
こころみ学園は今も100人以上の障がい者を預かり、
先生のお子さまがワイナリーと共に経営にあたっている。

この事業はまさしくいま世間で言われているSDGsの実践事業。
SDGsを知らなくても社会課題の解決に取り組むことは
できるのだ。
60~70年前から川田先生があたりまえのように
取り組んでいたことは、SDGsの目標のうちの、
3.すべての人に健康と福祉を
8.働きがいも経済成長も
10.人や国の不平等をなくそう
等に貢献する。

70年前、川田先生はあたりまえのように、
目の前にあった社会課題に人生を賭け取り組んだのだ。
SDGsと謳わずとも社会貢献はできるということ。
これが川田昇流のSDGsであり、仕事道!

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ココ・ファーム・ワイナリー

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川田昇流SDGsの象徴である里山

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12/20
2021

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かっぱ橋道具街“飯田屋”の存在理由

Business Today 新年1月号のゲストとして飯田屋の六代目
代表取締役社長 飯田 結太氏に出演してもらうことに。
飯田社長は、TBS、「マツコの知らない世界」や
「カンブリア宮殿」にも出演し、今、注目の経営者。
話が上手なことを知っていたのだが、
今回のBusiness Todayでもいい話をしてもらった。

飯田屋さんは、料理道具の専門店が集まる
“かっぱ橋道具街”にある。
とにかく種類が豊富で、8500点もの料理道具が陳列されている。
特徴的な品揃えの例として、
おたまは1000種類以上、
フライパンも200種類以上
まな板も100種類以上あるという。
飯田社長曰く、「積極的に過剰在庫を目指している」と!
結果的にここまで品揃えを多くしているには理由がある。

かっぱ橋の道具街では、ほとんどのお店は、
仕入れたモノを販売している。
飯田屋さんは、販売店でありながら、お客様の要望を聞くうちに
何種類かオリジナル商品も開発しメーカーにもなったという。
たとえば、
・究極の肉焼きフライパン
→ これは肉焼きに特化したフライパン
・ピーラー(皮むき)
→ 右利き、左利き用
・薬味おろし金 

これらを製造するようになったワケの物語が2つある。
1.割烹着を着た和食店の大将の来店
大将曰く、「やわらかく仕上がるおろし金が欲しい」と。
その時、飯田社長は、大将の言っている意味が
わからなかった。それを宿題にさせてもらい、
いろいろなおろし金を仕入れ、使い、試し
研究を重ね、大将に提案したところ、
とても喜んでもらえた

2.子どもが金属アレルギー
美味しいケーキを食べさせてあげたいが・・・
そこで金属製ではないケーキの型をいろいろ品揃えすることに

かつて飯田屋さんは、かっぱ橋道具街でも激安店で、
薄利多売の店だった。
どんなにがんばっても、多くの人に集まってもらえず、
一時は倒産の危機もあったという。
しかし、上記のようなお客様の要望を聞くうちに、
こだわりのある店となり、
今や多くの人々に喜んでもらえる繁盛店になったという。

すなわち、飯田屋さんはかっぱ橋で、
他の店にはない品揃えで“存在理由のある店”になったのだ。
これからの時代は、お客様に“選ばれる理由”を
つくることが、繁盛店になれるかどうかの
分かれ道になってきている。

お客様のニーズに答えるために、
もしメーカーにないのであればメーカーとなって提供。
これが、“飯田屋の存在理由”となり、
多くの人に選ばれている。
もしかしたら、かっぱ橋にあっても“品揃えに特化”したことが
メディアにも取り上げられる理由になっているわけだから、
存在理由がいかに大切かということ。
“選ばれる理由”をつくることが大切だと、
改めて飯田社長から学んだ。

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話上手な飯田 結太代表取締役社長

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お客様の要望を聞くうちに繁盛店になった

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