08/19
2024
芸能の世界も、ビジネスも 変化に敏感なものだけが生き残る!
久々にこの夏、浅草演芸ホールへ。
残念ながら私の知っている芸人は出演していなかったが、
思っていた以上に盛況で、ほとんどの席は埋まっていた。
そして十分に“寄席”を楽しむことができ、
思った以上に学びにもなったのだ。
(3,500円で土曜日の昼の部を4時間ほど楽しむことができた)
出し物は講談、落語、紙切り、漫才、マジックと
次から次へと続き、私が体験したのはトータルで19の出し物。
今回の私の最優秀賞は、“二楽・八楽”による紙切り。
(紙切りって、二人でやるものだっけ?!)
二人の最初のやり取りで、“二楽(林家二楽)”の話を受け
若い方の“八楽(林家八楽・はちらく)”が一言
「今のは小さなパワハラですね」とお客さまの笑いをとる。
そしてまずはお客さまからのリクエストから
“桃太郎と浦島太郎”を切り始める。
今どきの話を二人でキャッチボールしながらも
ほんの1~2分で紙切りを完成させるわけだが…
ほとんど同時に仕上がるのだ。
そして会場のお客さまに、この切り絵の欲しい方と投げかける。
すぐに一人のお客さまが手を上げ、“二楽”からもらっていく。
ところが“八楽”の桃太郎の切り絵には手が上がらない。
すると“八楽”は拗ねて見せ、切り絵を舞台の袖に放り投げる。
(笑いをとる)
結果的には1人の客が手を上げ、プレゼントするわけだが…
次は「キツネの嫁入り」「雷門」のリクエスト。
続いて「えーちゃん」のリクエスト。
“二楽”は、“えーちゃん”って誰だ?
ということから、“えーちゃん”の担当は“八楽”に。
“二楽”はもう一つのリクエストの“ゾウさん”を担当することに。
“八楽”は、マイクスタンドをもって歌う“矢沢永吉”を切り上げた。
(拍手が!)
“二楽”はどんな“ゾウさん”を創りあげるのだろうと
思っていたのだが、仕上がったゾウの鼻先には、
やっぱりマイクスタンドを持った“矢沢永吉”も切り上げられていた。
(もっと大きな拍手!)
あとで調べて分かったことだが、
この“二楽”と“八楽”は実の親子だったのだ。
→なんと“二楽”は団塊Jr.世代、そして“八楽”はZ世代。
【“変化に敏感なものだけが生き残る”は今も活きている!】
今回の寄席を観て気づいたことは、
古典的な“話や技”に、“今どき”をどう加えていくのか?!
どう織り込んでいくのか?!ということ。
落語であれば“まくら”をどう展開するかである。
この“二楽・八楽”が二人での紙切り芸とすることで
比較されることを覚悟し、お客さまの反応にアドリブを効かし、
“今どき”をその芸に織り込んでいく。
その辺の漫才師よりそのやり取りはずっと面白かったのだ。
(Z世代の“八楽”のちょっとした対応が、時代を反映させている)
古典を古典に終わらせない、
“今どきの芸”にできる芸人だけが生き残っていく。
実は私たちのビジネスも芸能の世界も同じで、
ターゲットも注目の話題も変化しているわけだ。
“モノからコトへ、コトから意味へ”と変化しているということ。
ダーウィンの「最も強いものが生き残るのではない。
最も変化に敏感なものが生き残る」という言葉は、
芸能の世界も、私たちビジネスでも一緒である。
私たちもこの変化の時代の風を読み、
お客さまはもちろん、社内外に関わらず
さまざまなニーズに敏感に対応していこうではないか。