10/21
2024
『科学的根拠に基づく最高の勉強法』 安川康介著
『科学的根拠に基づく最高の勉強法』なる本を手にした。
“勉強する”という行為の中で、どのようなプロセスが
より長期的な記憶形成に効果的であり、
どのようなプロセスが効果的ではないのかを考察するという。
私たちがこれまで繰り返してきた
勉強法はそのほとんどが効果が高いわけではないのだと。
◆繰り返し読んでも効果は高くない
◆ノートに書き写しても効果は高くない
◆ハイライトやラインを引いても効果は高くない
◆それぞれの好みの学習スタイルに合わせても効果は高くない
(え~これまでやってきたことを全否定している?!)
現代では、勉強法に関して
科学的な知見が蓄積されてきているにもかかわらず、
いまだにそうした情報が社会で広く共有されていない。
そして、不思議なことに今の義務教育では、
勉強すべき内容は教えるが
どうしたら効果の高い勉強ができるかは教えてくれていないという。
【より効果的なのは“アクティブリコール”!】
先程の私たちがずーっと繰り返してきた勉強法を否定して
打ち出した勉強法は“アクティブリコール”。
「active(能動的)にrecall(思い出す)」という意味で、
何かを記憶するときに単なる丸暗記で終わらせず、
使いながら思い出して定着させる学習法のこと。
簡単に言えばアクティブリコールとは…
勉強したことや覚えたいことを
能動的に思い出すこと、記憶から引き出すこと。
例えば英単語のリスト、教科書の章や段落、新聞や本など
覚えたい情報をまず読む。
その後、その情報を見ないで、覚えたい内容を白い紙に
できるだけ書き出していく。
その際のポイントは、元の情報を見ない、
つまり記憶の手掛かりがない状態で、
頑張って記憶から内容を引き出すこと。
従って学習者がしたことは、
“学んだ内容をただ紙にできるだけ書き出す”
“パソコンにできるだけ打ち出す”
というとてもシンプルなもの。
【35年前には証明されていた“アクティブリコール”効果】
「え~だったら早く教えて欲しかった!」
と思っている人は私だけではないだろう。
実は、これまでの学習に関する数多くの研究から、
何かを記憶するためには、それを積極的に思い出す作業や、
脳みそから頑張って取り出す作業こそが、
決定的に重要だということが明らかになっていたのだ。
→35年前(1989年)に発表された研究結果にも
すでにこのことは証明されていたという。
なのに、その効果的な学習方法を
誰も教えてくれていなかったということ。
ちなみに、覚えにくい内容や難しい内容の場合、
ブツブツ呟いたり、声に出しながら書く方が
情報をただ黙読するより記憶に残ることが分かっている。
→“プロダクション効果”という。
(これは時々やっているかも?!)
とにかく従来の学習方法、例えば繰り返して読むことや
ノートに書き写すといった学び方は
それほど効果が高くないことにガッカリ。
この本にも重要なところには蛍光ペンを入れたのに…
これは印としては意味があるわけだけど。
できれば“アクティブリコール”は、
私が小学校に入る63年前に知りたかった!