12/09
2024
成長を続ける『ハルメク』から学ぶ、 リアルマーケティングの極意
えっ?!『ハルメク』のお店が伊勢丹に?!
先日、京都を訪れた際に駅ビルの伊勢丹を物色していると
『ハルメク』の売り場に行き着いたのだ。
みなさんご存知だろうか『ハルメク』という女性誌を。
シニアを対象とした女性誌なわけだが、
女性誌としてナンバーワンの毎月47万部の発行部数。
実は私も、その人気ぶりから
ある時期はその理由を探ろうと定期購読していた。
そして先日もその右肩上がりが注目され、
“カンブリア宮殿”にも取り上げられていたほど。
【『ハルメク』の事業展開は、まさにSPIRAL Synergy!】
この雑誌としてのコンテンツビジネスと
その関係商品の販売という二刀流の事業で展開している。
ということで、今や全国の有名百貨店にも
お店を出しているのだという。
もちろん私の住む神楽坂にその販売の本店があるので
『ハルメク』が商品を販売していることは知っていたのだが、
まさか物販だけでも100億円を超す売り上げだとは
知らなかったのだ。
そして2023年3月には、東京証券取引所グロース市場に
新規上場を果たしている。
この“ハルメクHD(ホールディングス)”の事業展開は、
先日紹介したシナジーを効率的に活かした
“SPIRAL Synergy”の代表的事例と言っていいだろう。
【オウンドメディアが、それぞれの事業を支援する】
『ハルメク』のオウンドメディア“ハルメク365”では、
なんと“キョンキョン”の連載がスタートしたという。
小泉今日子氏ももう58歳というから、
まさにこの雑誌のターゲットの年齢に入ってきたということ。
シニア世代の読者たちは、いろいろ試行錯誤しながらも、
誰もが“キョンキョン”になれる可能性は捨てないはず。
(多分…)
ということもあり、『ハルメク』では
「心をつかむ、シニアに特化した一体型のメディア戦略」
として“オウンドメディア制作運用の支援サービス”も
展開しているという。
その1
雑誌や通販のヒット企画やクリエイティブの成果を活かし、
常に心を動かすコンテンツを企画制作
→毎月雑誌や通販商品を利用したお客様から届くハガキや、
お客様センターに直接いただくお客様の声を反映
その2
オフラインもデジタルも、クリエイティブと
マーケティング・リサーチが一体となり、
成果(反響・売上)を共有し、成果の最大化を目指す
その3
シニア特有の“使いこなせていない”気持ちや
“できない・読めない”に対するいら立ちに配慮した
DXやUIの設計を実践し、シニア向け施策効果を最大化する
↓ ↓ ↓
『ハルメク』の事業展開には、特定のターゲット層に
焦点を当てる戦略の強さがそこにある。
シニア女性を中心に、彼女たちのライフスタイルやニーズに
寄り添うコンテンツを提供することで、
市場で独自の地位を築いているということ。
お店があることで直接的な接点が増え、
顧客ロイヤルティを高め、物販売上をも伸ばしているのだ。
この成功要因には、単なる雑誌情報で終わらず、
モノやコトも提供し、
これからの不安なライフスタイル全般をサポートしながら、
生きる“意味”をも提供しているということなのかもしれない。