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02/25
2025

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WBC栗山英樹元監督から学ぶ。「功の成るは成るの日に成るに非ず」

「功の成るは成るの日に成るに非ず
けだし必ず由って起こるところあり」
中国北宋の文人、蘇 洵(そ じゅん)の『管仲論』にある言葉。

この言葉は、私が定期購読する雑誌に
一昨年のWBCの大会で侍ジャパンを世界一に導いた、
栗山英樹元監督の功績を讃えたコラムにあったもの。
確かに、あのメンバーが集まり、あのチームをつくり得たのも
栗山監督のこれまでの人間関係とその人格からのもの。

この言葉は、成功が偶然に訪れることはなく、
日々の努力の積み重ねによって実現するものである
ということを教えてくれている。
令和時代のビジネスの世界においても、この教訓は重要。
この価値観は少なくとも1000年経っても変わらない
まさに“不易”の価値観ということ。
(蘇 洵の活躍は1009年—1066年だという)

私の経験からも、大きな仕事のコンペティションで、
獲得できるタイミングは、
その仕事の企画推進に必要とされる人間関係も含め
要素があるレベル以上に揃っていたときだった。
とにかく、積み重ねあっての獲得であり、
もしかしてタイミングとしての運も必要要素なのかもしれない。
そしてその大きな仕事の獲得でありその実績が
また次なる仕事の獲得にもつながるのだ。

【禍の作るは作るの日にあらず】

ビジネスの世界では、成功に至る過程だけでなく、
失敗や危険から学ぶことも同様に重要。
「禍(わざわい)の作(おこ)るは作るの日に作るにあらず、
また必ず由って兆(きざ)す所あり」という言葉も。
人はある日突然成功するわけではない。
しかるべき種まきがされていてこそ成功に至る。
また、禍も同じで、人に禍が起きるとき、
必ずどこかでその種がまかれている。
注意深さと先見の明が必要であることを教えてくれている。
日常の中で些細なサインを見逃さないことで、
大きな問題を未然に防ぐことができるということ。

ジャニーズの問題であろうが、
このところのフジテレビの問題であろうが、
長きに渡って種はまかれていたのは間違いない。
それをあえて見過ごしてきた結果としての禍ということ。

【成功も失敗も、日々の積み重ねの結果!】

成功と失敗は、瞬間的な出来事ではなく、
長いプロセスの結果であるという教訓は、
私たちのビジネスや人生に深い示唆を与えてくれる。
日々の努力と人間関係の積み重ねが、
最終的な成果を生むことを示している。
すべてが加速する令和時代のビジネス環境においても、
時代に求められる“知識やノウハウ”はもちろん必要だが、
持続可能な人間関係の構築もかなり重要な要素となる。

中島流では…
このビジネスは何を目的に、その存在理由は何なのか…
すなわちパーパスであり“WHY(なぜするのか)”を明確にして
さまざまな日々の活動に反映させないことには、
本来のたどり着きたいところであり、成功には
至らないのではないだろうか?!
その明確なパーパスを持っての活動こそが
「功の成るは成るの日に成るに非ず」
を体現できることになるのではないだろうか?!

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日々の努力の積み重ねが大事

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シナジースペシャル

02/25
2025

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不合理の先にある“合理”。未来を見据えた“バックキャスティング思考”!

先の“ビジ達”で
「不合理に見える挑戦がもたらす“長期の合理”!!」
というタイトルで、私の不合理な日々をもあれこれ紹介し、
短期の合理より“長期の合理”の重要性について語ったわけだが…

その後、定例のあちこちのセミナーで
このテーマで“参加者ディスカッション”を展開していると
いろいろな事例が紹介され、思い当たりもしたのだ。

改めてそのポイントを言うと、
優れた戦略とは、しばしば“短期的に見ると
不合理に見えるのに、長期的に見ると合理的”であり、
“部分で見ると不合理に見えるのに、
全体で見ると合理的”。
すなわち、リーダーは常に短期ではなく
“長期の合理”を意識して決断しなければならないわけだ。

【事例1、プラスチック加工業の“サカエ工業”】

まずは栃木県栃木市の創業52年目の
プラスチック加工の“サカエ工業”。

私が定期的にセミナーを開催するクライアント。
その売り上げのほとんどは大手メーカーの下請けとしての
プラスチック加工事業なのだが、
約10年ほど前から、そのプラスチック加工の技術を活かして
自社製品を開発販売している。

その製品点数も多くなり、ここ数年はギフトショーなど
展示会にも能動的に出展して、そのメーカーとしての可能性を
さまざまな角度から発信している。
もちろん開発にかかる人材や新たなルートづくりには
かなりの対価がかかるわけだが、
その先を見据えて敢えてチャレンジしているという。

すなわち“短期的にみると不合理なチャレンジ”となる。
とはいえ、このところは“プラスチック加工メーカー”として
あちこちから声がかかるようになったという。
もちろん、まだまだこれからに期待しての展開だというわけだが…

【事例2、“ZERO WASTE DESIGN”を提唱する“石坂産業”】

“ビジ達”にも度々登場する産業廃棄物処理の石坂産業。
すぐアタマに浮かんだところから紹介すると…
大金をかけた焼却炉中心の廃棄物処理プラントを敢えて廃棄し、
周りの農家や事業者であり、環境にも配慮した
“焼却炉のない産業廃棄物処理プラント”へと再構築。
当然、もっと大金をかけての再構築となった。

さらに、2億円?を投じて廃棄物処理のプロセスを見学できる
通路を設け、顧客や地域社会に対して透明性を提供。
この見学通路が、日本はもとより世界からも
多くの見学者が来訪する理由となっているという。

また、石坂産業周辺の緑地を整備し、
公園として一般に開放することで、地域社会との連携を強化し、
企業の持続可能な発展を支えている。
このように、一見すると裏付けのないように見える
投資であり戦略を決断して、
今や業界に限らず日本を代表する企業として事業展開している。
ちなみに、このところの“QB総研”主催の
リーダーズセミナー最終プレゼンコンペでは、
石坂産業からの参加者が2年続けて最優秀賞を獲得している。
→優秀な人材が多く入社しているということ。

↓ ↓ ↓

昭和・平成時代には当たり前だった各業界ビジネスが、
いまや地球規模の捉え方を求められ
さまざまな変化を余儀なくされる令和のビジネス。
今後は特に、短期的には不合理に見えても、
長期的な視点で合理的な選択を行う重要性を
教えてくれている。
だから“バックキャスティング思考”!

“バックキャスティング思考”は、
長期的視点での合理性を追求する手法として注目されている。
事例のごとく、大胆な方向転換や
先を見据えた気長な投資が、
長期的には私たちを次なるステージへと導いてくれる。
この令和ビジネスこそ、短期的な収益に囚われず、
持続可能な未来を目指しての
“バックキャスティング思考”をおすすめしたい。

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プラスチック加工業の“サカエ工業”

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“ZERO WASTE DESIGN”を提唱する“石坂産業”

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