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はなまるア・ラ・カルト

11/25
2025

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鍵山秀三郎相談役から学ぶ その2 「大切なことほど数値化できない!」

鍵山秀三郎『凡事徹底』
テーマ/『数値化』

「学問的な能力だけを判断基準にしてきた社会風潮が、
世の中の乱れを引き起こしてきた原因だと思います。
学問的な能力は、数値化することが可能です。
数値化すると測定しやすく、順位が決めやすい特徴があります。
しかし、大切なことほど数値化できないのも現実です。
大切な人間性や人柄をおろそかにしてきたそのツケが、
現代社会の問題となっています。」
(鍵山秀三郎著『凡事徹底』「一日一話」PHP研究所刊)

何でも数値化し、比較して優先順位をつけて…
これが当たり前であり、これがいまどきの常套手段。
さて人の可能性に対してどう測ったらいいのだろうか?!
人間力は測れるのだろうか?!
2007年に出版された拙著
『非効率な会社がうまくいく理由』に書かせていただいた
“イエローハット”の創業者・鍵山秀三郎相談役の話には
以下のようなものが…

【私にできることは掃除しかありませんでした!】

時代は高度成長期に差し掛かった頃で、どこの会社も人手不足。
生まれたばかりの零細企業だったローヤル(イエローハット)には、
なかなか人材が集まらない。
そんな状況下で、入社を希望する人は、
様々な企業を転々としてきた人が多く、
気持ちも荒んでいたという。

営業から帰ってくると、外回りでの嫌な体験から
カバンを机の上に放り投げたり、
机を蹴っ飛ばしたりする社員もいた。
こうした光景を見ていた鍵山社長は、社員の荒んだ心を癒し、
穏やかにすることが会社にとってまず必要なことだと考えた。

しかし、言葉で直接注意したり、
文章で伝えることが苦手だった鍵山社長は、
普通の経営者では考えつかない行動に出た。
それが“掃除”だった。
出社してくる社員が汚れやゴミを目にしなくて済むように
職場環境をきれいにしておきたかった。
きれいな職場になれば人の心は落ち着き穏やかになると
思って始めたという。

休日も返上し自分の家族まで使い、
とにかく社内をきれいにすることを心がけた。
でもなかなかこの思いは社員には伝わらなかった。
掃除などする時間があるなら
一つでも売り上げを伸ばす努力をするべきだと。
うちの社長は“掃除”しかできないと
社員たちは陰で社長を批判した。
何度もやめようかと思ったという。
それでも私にできることは“掃除”しかありませんでしたと。

【たかが掃除、されど掃除!】

数値化できない人間力や人柄こそが
現代社会においてますます重要になっているのだ。
鍵山相談役から教わった“掃除” の実践は、
数字では測れない心の穏やかさや誠実さを学ぶための行動。
“たかが掃除、されど掃除”である。

時代の変化とともに、売上やランキングといった
数値だけでなく、相手の人間性や信頼感といった
目に見えない価値を察知する感性を養うことも求められている。

↓ ↓ ↓

あなたもそろそろ鍵山流の“徹底した掃除”に
チャレンジしてみませんか?!
毎月第3木曜日午前5時50分、
新宿歌舞伎町シネシティ広場で待ってま〜す。
(場合によっては、新宿東口広場の時も)

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“掃除”がもたらすものとは

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11/25
2025

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ジャパネット躍進の承継! 高田 明氏の“経営者の決断”。

“おーここがジャパネットの本社。
まずはこの本社前で集合写真でも撮ろうか…”なんて言っていたら
いつの間にか現れたのは、高田 明創業者。
ということで、高田氏の出迎えに恐縮しながらも
その集合写真にも入ってもらった次第。
これが今回の経営者会議リトリートのスタートだった。
(マコっちゃん、J1昇格の天王山対戦含め、ありがとうございます)

ベテランのスタッフに案内していただきながら
ジャパネットの歴史を辿る話はもちろん
ナマ番組のスタジオ撮影風景も視察させていただいた。
そして高田 明創業者の“経営者の決断”の話も
聴かせていただいたのだ。
※以下はその時の話もあるが、『私の履歴書』(日経新聞)より

その1◆2012年の恒例の大忘年会で…
(2012年決算で360億円ダウン)
来賓の有力取引先や社員を前に
“来年、経常利益ベースで最高益を超えられなければ
社長を辞めます”と宣言。
突然の発言に会場は静まりかえった。
社員の多くも驚きの表情で私を見ている。
副社長の旭人(長男)氏は
“何もこんなところで言わなくても”と思ったらしい。

その2◆2013年の利益は…
結局、前年より81億円多い154億円となり、
目標の136億円を上回った。
一番うれしかったのは、最高益更新の立役者が
旭人氏を中心にした社員たちだったこと。
若い社員たちが底力を見せてくれたのだ。
明氏は社員の労をねぎらうため特別ボーナスを出したという。

その3◆変化への対応力は…
経験を引き継ぐ過程で育成される。
その意味で“事業承継”には、継がせる方にも覚悟がいる。
旭人氏が大きく伸びたのは東京オフィスを任せたとき。
1日に1商品だけを集中販売する“チャレンジデー”の企画を
旭人氏らが提案したとき、明氏は大反対した。
だが何度却下しても旭人氏は諦めない。
他のテーマの会議の席で、その企画を蒸し返した旭人氏に
“その話は終わった”と怒鳴ったこともあったという。
それでも最後にはゴーサインを出したのは
“会社を背負う”という強い気持ちを感じたからだと。

その4◆2014年の早春…
前年の最高益更新の勢いのまま
生き生きと働いている社員たちを見ていて、
社長をあと2年も続けなくてもいいのではないかと…。
“話が違う”と尻込みする旭人氏を
“もういいだろう?!社長やれるだろう?!”と説得し、
1年前倒しして2015年1月15日に社長を退くことを決めた。
“創業者の引退がジャパネット最大のリスク”
と危ぶむ声もあったが…
“まだまだやれる”と自分を過信するようになるのが一番怖かった。
旭人氏を後継者にしようと腹をくくってから
会社の株式の譲渡も終えていた。
中途半端に影響力を残したくなかったので、
権限移譲には、ためらいはなかったという。

↓ ↓ ↓

高田 明創業者のまさに“経営者の決断”がここにある。
素晴らしい!
実は、2日後のJ1昇格を争う
V・ファーレン長崎と水戸ホーリーホックの天王山にも
高田 旭人社長はもちろんだが、高田 明創業者も足を運び
会場の多くの応援団にその笑顔を見せていた。
→2対1で勝利…J1昇格も間違いないだろう!

私も創業者として、約10年前の後継者への引継ぎ方で、
注目されることも多いが、
高田 氏はこれだけの企業を一代で創り上げ、
この承継の仕方含め、経営者としての美しさがある。
この“経営者の決断”を多くの創業経営者にも伝えたいのだが…

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長崎スタジアムシティで盛り上がった

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