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2019
求められる経営への“美意識”
山口周氏著の『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』には、
「分析、論理、理性に軸足をおいた経営、いわば
サイエンス重視の意思決定では、今のように複雑で不安定な
世界においてビジネスの舵取りをすることはできない」
と書かれている。
「論理的・理性的な情報処理スキルの限界」とも書かれているのだ。
論理性・科学的なことはAIやITの進化により
誰でもができるようになってきたわけで。。。
すなわち、どこが作っても、だれが作っても似たような
ものとなってくるということ。
この先、差別化をする上でのキーワードとなるのが“美意識”だと。
実は私も同じように感じていたのだ。
私の創業した会社は、
論理的で理性的な情報処理だけではなく、
クリエイティビティ、つまりアート的感覚が必要な業界だ。
そして、私の今の役割は“経営のデザイン”をアドバイスすること。
ということで、これまでも経営への美意識は大切にしてきたわけだ。
山口氏の本に加えるならば、
今のミレニアム世代、Z世代も含め、若い人達はモノが
あふれ、成熟化した社会で生まれ育った。
ということは、いい音楽を聴く環境も、いいデザインのものを観る
環境も整っていたということ
すでにいいものを選ぶ感性も身につけているというわけだ。
不自由なく、何でも手に入る若い人たちが、これから先
何を求めるかというと、それは「マズローの欲求の5段階」の最上階、
すなわち“自己実現欲求”なのだ。
だからこそこの人たちに満足してもらえる提案が
できる企業になる必要がある。
すなわちこれからの経営には、論理的で理性的な発想だけではなく、
直感的・感性的なスキル、「真・善・美」を意識した
クリエイティビティ、すなわち“美意識”が必要になってきた。
先日リーダーズセミナーでおじゃました石坂産業。
企業コンセプトは「自然と美しく生きる」なわけだが、
ここは建屋や風景が美しいだけではなく、経営にも、
「真・善・美」の直感的・感性的なエッセンスが盛り込まれている。
まさに“美意識”のある経営をしているのだ。
また大里総合管理も地域の課題に果敢に取り組み
地域を大切にしている。
経営の“美意識”をしっかり持っているということ。
拙著「儲けないがいい」にも登場した半兵衛麩さんも
“先義後利”を家訓にしているのだが、ここも企業としての
生き方「真・善・美」を意識している会社と言えるだろう。
これからの混沌として複雑で不安定な世界において、
企業がブランド力をあげ差別化をしていくための
キーワードとなるのが”美意識“ということ。
“美意識”がないと、これから先の経営は難しくなって
いくのだ!