03/31
2014
ピークバランス45(歳)
先日ある雑誌で、
ノーベル物理学賞を受賞した
江崎玲於奈(えさき・れおな)氏と
筑波大学名誉教授である
村上和雄氏(以前にもお会いした)との
対談の特集が組まれていた。
対談の中で話題に上がっていたのが、
新しいアイデアを生み出す「創造力」と
物事を理解して判断する「分別力」の
バランスについて。
江崎氏いわく、
20~70歳を目安に考えると、
20歳から70歳に向けて
分別力は上がってくる。
だが、創造力は20歳をピークに
衰えてくるという。
そしてこの2つが交差する時期が45歳であり、
両者のバランスが一番とれているというだ
(なぜ20歳なのかというと、
学生たちに向けて話していた
内容だからかもしれない)。
たしかに、ノーベル賞を受賞する
学者たちは高齢の方が多いが、
その研究は45歳前に
発想したものばかりだという。
とにかく、この内容は私の考えている
“ピークバランス45”とも似ている。
これは、中島流に経営の視点で考えた
人間の能力グラフのこと。
若いころに発想される「創造力・推進力」と、
人生の後半に培われる「分別力・人間力」
それぞれのグラフを
2つの山を描くように重ねあわせたものだ。
30代の頃は何でもチャレンジして
アイデアを出すことができるが、
判断力が足りない部分もあるだろう。
だが、経験を積むことで、
次第に未来を見通した判断や、
周囲に対する配慮が培われていくのだ。
このように、中島流のグラフにおいて、
創造力に加えて推進力は
20代以降も伸び代がある。
これらは20代から上昇し、
35歳頃にピークを迎える。
その後、分別力と
人間力が次第に高まり、
60歳を過ぎた頃にピークを迎えるのだ。
そして、この2つのグラフが重なりあう、
一番バランスがとれた時期が
45歳頃といえるだろう。
ふと今まで関わってきた
経営者の方々を思い返してみると、
このグラフが当てはまることが多い。
つまり、経営にも“ピークバランス”が
存在するということなのだ。
時代が移り変わるように、
経営も、人もいつまでも
同じ状態でいるのは難しい。
経営に“ピークバランス”を意識すると、
常にいい状態をキープできることに
つながるかもしれない。