08/11
2014
“モチベーション経営”の強み
「ぼく、農業やります!」
そう宣言したのは、
株式会社マイファーム代表・西辻一真(にしつじ・かずま)氏。
高校1年のときのことだという。
西辻氏が経営するマイファームでは
「自産自消(自分たちの手作りの野菜を自分たちで食べる)」
をテーマに、耕作放棄地の再生ビジネスを展開している。
このビジネスを始めたきっかけは、
西辻氏が高校生のときに
耕作放棄地を見たときのことだった。
なんとかこれを活かすことはできないかと考え、
農業の現状を変えたいという考えに至ったという。
そして、農学に必要な物理、
化学、生物を中心に勉強して京都大学農学部に進学。
卒業後に起業し、現在に至るという。
驚くべきはそのモチベーションの高さだ。
以前、ビジ達で「馬を水辺に導くことはできるが、
馬に水を飲ませることはできない」という諺を紹介した。
しかし、西辻氏の場合、
導かれずとも自ら水辺に向かうほど
モチベーションが高い。
これを中島流に表現すると“モチベーション経営”だ。
“モチベーション経営”とは、
ある志の実現のためにビジネスに取り組み、
経営そのものはあくまでそのプロセスと考えること。
そのため、このタイプの経営者には、
志を実現するために労を厭わない人が多いのだ。
この“モチベーション経営”を展開するのは、
西辻氏だけでなく、私が知っているだけでも数人いる。
たとえば、ミドリムシで有名なユーグレナの出雲社長。
学生時代にバングラデシュの食糧問題を
目の当たりにしたことがきっかけで、
ミドリムシの研究を始めたという。
当時、ミドリムシの大量培養は無理だと言われていたが、
諦めず研究し続けたことで成功させ、
可能性あるビジネスへと発展させた
(現在はバングラデシュでミドリムシクッキーによる
食糧支援も行っているという)。
他にも、北海道でロケット開発に携わる植松電機がある。
もともとはリサイクル関係の業務用マグネットの
製造販売をしているのだが、
ロケット開発という子供の頃からの夢を追い続けた。
そして、周囲から「どうせ無理」といわれながらも、
諦めずチャレンジし続けた結果、
北海道大学とのハイブリッドロケットの共同開発により
「NASAより宇宙に近い町工場」
と言われるほど発展したのだ。
これらの人たちに共通することは、「諦めないこと」。
自分の意志で夢の実現に向けて行動する人は、
打たれ強く、どんな困難を前にしても諦めない。
それは、“モチベーション経営”をする人の
特長だといってもよいだろう。
私も「クリエイティブな仕事」と
「人に教えること」に興味を持ち、
クリエイティブ業界で会社を設立して
コンサルティング業も行い、31周年を迎えた。
これも、ある意味で
“モチベーション経営”なのかもしれない。
これからも「諦めない」姿勢で
“モチベーション経営”をしていこう!