09/07
2015
ヨコの相乗効果とタテの相乗効果
ビジ達では何度も取り上げている、
“相乗効果”という言葉。
これは、複数の要素が合わさることで、
単体よりも大きな結果を得られるということだ。
日常で使われている“相乗効果”の例を出してみよう。
例えば、ある植物と違う植物を一緒に植えると
よく育つという効果が見られることがある。
また、同業界で強みの違う企業が提携することで、
弱みを補完し、より強みを伸ばすこともよくある。
これらの事例は中島流に言うと、“ヨコの相乗効果”だ。
さて、これをヨコと言うなら、
“タテの相乗効果”とは
どういうことを言うのだろうか?
簡単に言うと、常に複数の関係であり、
並列的関係の“ヨコ”に対し、
単独で作り上げるものを
“タテ”と呼んでいるのだ。
突然だが、1972年の
ミュンヘンオリンピックを思い浮かべてみてほしい。
(まだ生まれていない…という人もいるだろうが…。)
バレーボールの森田淳悟選手が考案した
“一人時間差攻撃”は、
一度目のジャンプで相手を惑わし、
二度目のジャンプで
しっかりアタックを決めるという一人技だ。
(まさにタテの時間差攻撃!)
バレーボールはチーム戦ではあるものの、
個人の能力も高めてきたからこそ、
この攻撃が実現できた訳である。
ビジネスでの例を挙げると、
ベストセラーとなった『磯野家の相続』を著した
長谷川裕雅氏が分かりやすいだろうか。
長谷川氏は弁護士ではあるが、
税理士の資格も持っているので
承継や相続問題に明るい。
この2つの専門知識が相乗効果を発揮し、
「相続トラブルは長谷川弁護士に相談すれば間違いない」と
言われているとか…。
そして、多くの承継や相続案件を扱うことが、
より多くのノウハウの構築につながることになったのだ。
このように、自分一人の時間をフルに活用し、
ノウハウ、人脈、知識などを蓄積することで、
様々な相乗効果を生み出す素となっていく。
そしてその相乗効果は、
タテが充実していることで、
ヨコもより多く生み出せるのだ。
私自身、ラジオのパーソナリティや経営者、
コンサルタントをやりながらも
いくつかの会合のメンバーとして活動することで、
“タテの相乗効果”の可能性をより高めている。
これらの活動により、その経験、知識は
人との出会いを生み出し、
結果的に“ヨコの相乗効果”にも繋がるのだ。
会合で出会った人々と協力関係を持って
仕事を行うこともあるし、
蓄積した知識が人々との会話を
深いものにしてくれることもある。
このように、“タテの相乗効果”の材料は
“ヨコの相乗効果”をも大きくする可能性を秘めている。
ということは、
その材料を能動的に作り出せば、
相乗効果の可能性を高められるのである。
自然発生的なものを受身で待つのではなく、
どうすればより良い相乗効果を生み出し、
ビジネスに活かせるかを、
私たちは意識しなければならないのだ。