12/21
2015
“奥行きある正義”
今年も残るところ、あと二週間足らず。
日経MJが発表した「2015年ヒット商品番付」を見てみると、
この一年を振り返ることができる。
番付なのでもちろんランキングは横綱、大関…
などと表現され、西と東でそれぞれ分けられている。
西の横綱はラグビーワールドカップで活躍した、
「ラグビー桜ジャパン」。
東の横綱には、東京-金沢間を2時間28分で
移動することができる「北陸新幹線」が選ばれた。
ほかには又吉直樹氏の『火花』、「夏の甲子園」などが選ばれ、
確かにそんな話題で湧いたな~と思い出す。
トレンド商品が多い「2015年ヒット商品番付」ではあるが、
その中でも中島流の視点で注目するのは、
ドラマ化もされた『下町ロケット』だ。
(私は偶然2度ほど観ただけだが…
あ、しかし最終回はしっかりと!)
あの『半沢直樹』の原作者である池井戸潤氏の小説で、
ドラマでは平均視聴率20%以上の回もあったという。
さて、なぜ『下町ロケット』『半沢直樹』は
それほどヒットしたのだろうか?
私が思うに、『下町ロケット』『半沢直樹』には、
多くの人が求めている価値観があるのだ。
すなわちそれは道理であり、正義。
多くの人が本来「こうありたい」と願う
理想の在り方を描いている。
そうすることにより、物語に
“奥行き”が生まれるのだ。
著者の池井戸潤氏はそのあたりを
意識しているのではないだろうか?
私がよくビジ達でご紹介している
ソリューションビジネスにも、
上記の「正義」が存在する。
多くの人がソリューションビジネスに取り組むのは、
そこにビジネスとしての“奥行き”があるからだ。
“奥行き”は多くの人にとって信頼感をもたらし、
魅力的にも映る。
今や多くの人々が上辺だけでなく、
“奥行きあるもの”に惹かれる時代に
移り変わっているといえる。
中島流の“パラダイムシフト75”の転換期でもある現在、
経済優先型から新たな時代の変化の表れとも言えるだろう。
人々はそこに“義”があるかどうか、
“道理”があるかどうかを重視し始めている。
これこそが今回のファインスピリッツキーワード、
“奥行きのある正義”につながるのだ。
これからの時代は確実に
“奥行きのある正義”に傾いていくだろう。
もはや生活者は、“金儲けの商品”にはなびいていない。
独自の価値観を持つものや、
何かを追求したからこそ
“奥行き”が生まれたものに対して、
人々は惹かれてしまうのである。
一時的な流行で盛り上がったとしても、
それは長く続くことはないだろう。
これは半ば私の願望も入っているが、
“奥行きのある正義”は今後もっと多くの人々から選ばれ、
長く生き残っていくことだろう。