01/04
2016
2016年“ヒューマン効率”の時代へ
“ヒューマン効率”。
あ~~懐かしい!と思ってくださる方もいるはず。
拙著『儲けないがいい』で著した中島流の造語だ。
もちろん、このビジ達でも何度もご紹介した。
「経済効率」に対しての“ヒューマン効率”なので、
経済の物差しではなく、
人々にとってよいものかどうかがその基準となる。
新年早々、なぜ“ヒューマン効率”なのか?
と問われれば、2016年こそ“ヒューマン効率”の時代が
幕を開けるから!とお答えしたい。
思えば、2015年中にいくつもご紹介した
ソリューションビジネスも、その表れだろう。
例えば株式会社ユーグレナのミドリムシは、
そもそもバングラデシュの栄養失調の人たちに向けて開発された。
ところがそれはジェット燃料になり、
化石燃料の使用量を減らせるようにもなった。
他にも “里山ビジネス”で高齢者のやる気を復活させた、
長野県伊那市の『産直市場グリーンファーム』。
美味しい野菜をはじめ、
手間暇かけた手作りの品なども販売すると、
どんどん売れてしまうというのだ。
その売れ行きを見た生産者=高齢者はますますやる気を出し、
商品にはもっと磨きがかかり、
地域はどんどん活性化していくという流れ。
そうそう、これこそが“ヒューマン効率”。
「人」を中心にした発想から、
意義あるビジネスが広がっているのだ。
そもそも売買の行為の根底には、
原始的な物々交換が存在していた。
物の値段が高い、低いということにこだわらず、
純粋に必要とするものを手に入れていたというわけ。
いわば、“生活流通”ともいうべき物々交換のシステムが、
その地域と人をしっかりと結びつけ、
数字に表れない形で繁栄させてきたのだ。
“里山資本主義”を唱える藻谷浩介氏は、
このような行為はGDPなどの数値には表れず、
経済優先型の社会では無視されてきたと語る。
しかし、本来はこうした形が自然なものの流れであり、
地域の人間関係もいいカタチで進んでいくのだという。
私の尊敬する鍵山秀三郎相談役が行う
トイレ掃除や街頭清掃も、
経済効率の数値には表れないもの。
このような徹底した掃除や鍛錬は
経済効率には表れないものの、精神の成長や、
心身の健康を支えるものになる。
そして、このような鍛錬を続けることで、
人の“義”や“道理”が分かるようになってくるのだ。
すなわち、経済効率だけでは見えてこない大切なものが、
たくさんそこにあるということ。
たびたびご紹介してきた
“パラダイム75”でも述べてきた通り、
今は時代と時代の大きな過渡期に当たる。
このところソリューションビジネスが続々と現れたように、
日本全体が経済効率から“ヒューマン効率”へ
あらゆる面で切り替わっていくに違いない。
2016年はまさにその元年。
“ヒューマン効率”の時代が始まろうとしているのだ!