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はなまるア・ラ・カルト

09/28
2020

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「niko and…」に見る、リアル店の葛藤!

若い世代なら知っている”niko and…”というブランド。
(私は知らなかった・・・)
これは“アダストリア”というカジュアル衣料の
大手企業のブランドの一つ。
原宿の近く、明治通り沿いの店舗は、
“ライフスタイル”を大型店で発信することで人気だと新聞記事にあり
足を向けてみた。

1階にはアパレルがセンスよく展示されていて、
おしゃれなカフェもあり、ファッショナブルな若い人たちが
お茶をしていた。
アパレル中心だと思いながらも2階にあがると、
ファッションやアパレルのお店ではなかったのだ!
テントや椅子などのアウトドア用品、観葉植物。アロマ、
家具、インテリアグッズ、食器が展示されている。
商品の7-8割がアパレル以外のもので、
半分以上がniko and...のオリジナルだという。
(仕事柄スタッフに声をかけて聞いてみた。)
すなわち、そこにはライフスタイルを提案する生活雑貨が
展示されていた。
(なるほど・・・)
これからはアパレルだけでは楽しむショッピングを演出できないので
ライフスタイルも提案し、結果として服も買ってもらう戦略なのだと!

そしてネット通販では出会えない、ワクワク感の提供をし、
商品を選ぶ楽しさをリアル店舗で味わってもらう“しかけ”なのだ。
それゆえに大型店にしたということ。
同時にECサイトも充実させていて、
その場で購入しなくても、ECサイトへと促すような
動線作りをしているのだろう。

私も結果的にデザインがいい“物入れ”を買ってしまったわけ。
私でさえあれこれ見ているうちに
自分の家にそのインテリア小物があることを想像し、
ついつい購入に至ったわけだ。
これは、ネット通販では体験できないリアル店舗ならではの
演出効果ということ。

私が訪ねた時には、バスキアという20代でなくなったアーティスト
とのコラボで新しいカルチャーづくりの発信もしていた。
バスキアの商品、Tシャツ、ブランケット、バンダナ等も
たくさん販売されていた。
これも他のECサイトでは買えないもの。
このように、“Nico and…”を選んでもらうための
工夫や戦略があちこちに。

繰り返し発信しているが、プロダクツを店舗展開するだけでは、
カテゴリーキラーのD2CブランドやECサイト、
たとえばZOZOに負けてしまう。

日本中のリアル店舗がどうやってオンラインに対向しようかと
試行錯誤しているわけだ。
最終的にはオンラインに対向するためには
それなりのリアルな店舗ならではのアイデアで
対向していかねばならないのだろう。

ネット通販に負けないワクワク感を提供し
結果的にそこで買ってもらうのみならず、
ECサイトへ誘導し、オンラインでも買ってもらう展開を
している“Nico and…”。
そこにオンラインにシフトする時代のリアル店の葛藤が
見て取れた。

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”niko and…”というブランド

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1階にはおしゃれなカフェも

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