06/10
2013
“イートイン”時代の到来
毎年恒例の、私、中島セイジと行く海外研修ツアー。
今回の舞台はアメリカのニューヨークとシカゴ。
今回視察してきた、フェアウェイやウェグマン、
そしてホールフーズマーケット。
どの店も全米で絶大的な人気を誇っているスーパーマーケットなのだが、
これらのスーパーには共通点があった。
それは“イートインスペース”を設けていること。
まず、ニューヨークの郊外に店を構えている“フェアウェイ”。
お米・穀物・コーヒー・オリーブ・ピクルスが量り売りされ、
自分が欲しい量だけ購入することができることが魅力的なスーパーだ。
さらにお総菜コーナーも充実し、
店内に広くイートインスペースが設けられているため、
買ってすぐにその味を楽しむことができる。
次は働いている人も満足するスーパーとして有名な、“ウェグマンズ”。
広い店舗の2階には、スーパーの店内を眺めることができる、
イートインスペースが設けられていた。
電子レンジも完備されているので、買ったお惣菜を温め直し、
美味しくいただくことができるのだ。
そして、全米で350店舗以上ある、
オーガニック&グルメ志向のスーパー、“ホールフーズマーケット”。
ここには、バイキング形式のお惣菜コーナーだけではなく、
ハンバーガーやサンドイッチを目の前でつくってくれるコーナーもあった。
このようにとても充実したファストフードコーナーがあるため、
近くで働くビジネスマン、ビジネスウーマンが
昼食をとりに来る姿もよく見られるという。
さて、これらの人気スーパーには
なぜイートインスペースが設けられているのだろうか。
そのひとつに女性の料理離れが考えられる。
女性の社会進出などが理由で、料理をする機会が減ってしまった。
つまり料理をする人が減れば、食材だけを取り扱っている
スーパーの売り上げは低迷してしまうということ。
また、滞留時間を長くすることも狙いのひとつだろう。
滞留時間は売り上げに比例する、といわれているように、
イートインスペースを設けることで、
その先の売り上げまで見据えているということ。
さらにイートインというエンターテイメント性(?)を持たせることで、
“ただ買い物をするための場所”であったスーパーが
楽しく、足を運びたくなる場所へ変わるのだ。
お客さまのニーズも多様化し、競争が高まるスーパーマーケット業界。
ただ物を売っているだけでは、生き残ることはできない。
お客さまのニーズに合わせた充実したお惣菜コーナーや、
エンターテイメント性を持たせ、楽しさを演出するイートインスペース。
日本でイートインスペースを設けている店はほとんど見かけないが、
先を見据えた展開を考えるならば、“イートインスペース”は、
ぜひ必要なスペースとなるのかもしれない。