これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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はなまるア・ラ・カルト

01/26
2015

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「人間万事塞翁が馬」が決断

人生だけでなく、ビジネスにおいても、
幸福や不幸は予想のしようがないものである。
まさに「人間(じんかん)万事塞翁が馬」。

この言葉がぴったりなホテルがある。
ミシュランガイドで、“2パビリオン”
(快適さを示す分類)を
獲得している『庭のホテル東京』だ。

ここは、「京都のような“雅”な和ではなく、
江戸の持つ“粋”な和」がコンセプト。

その粋な和と落ち着きを求め、
国内外問わず宿泊客が訪れ、
稼動率は90%を
超えているという。

しかし、そうした人気ホテルであっても、
過去には何度も苦難を味わってきたという。

その苦難の変遷をお聞きすると…。

庭のホテル東京は、
2009年の改築オープンの前までは、
ビジネスマン向けの
「東京グリーンホテル」として
安定した営業を行っていた。

数年後、改築工事を経て、
2009年に「庭のホテル東京」となったのだが、
オープンのタイミングは
リーマンショック後の
大不況の時期と重なってしまった。

そのうち、幸運にもミシュランガイドに
選定されこれからという矢先に、
あの東日本大震災が発生。

それにより、売り上げの多くを支えていた
外国人観光客がほぼゼロになったという。

しかし、こうした苦難に直面したことで、
ホテルのスタッフみんなに
“どうすればお客様を取り戻せるのか”を
真剣に考える気持ちが芽生えたという。

そうして、さまざまな困難を乗り越えたことで、
ホテルのサービスを向上することができ、
現在の状態にまで上り詰めたのだ。

もうひとつ事例をご紹介しよう。

現在、千葉県で
徹底した自然酒造りを行っている、
寺田本家も同じように、
困難を乗り越えて大成した会社だ。

故・23代目が、自身の病気を機に
それまで行ってきた経済性優先の
酒造りや自身の生き方を見つめ直し、
“自然酒造り”への転換を決意。

“自然酒造り”は、さまざまな菌の
活躍のタイミングを自然に任せるということ。
つまり、人の都合(経済効率優先)での
タイミングではなく、
本来のあるべき姿に戻すということ。

その結果、“本物”を求めるようになった
社会のニーズに合致し、大人気となった。
今では、見学ツアーが組まれるほどの
人気酒蔵となったのだ。

不幸や災難は必ずやってくるもの。

その時、それをどう捉え、どう対処するのか、
その決断こそが、経営者に求められているのだ。

不幸を機に、より選ばれるための
勇気ある選択をすること。
つまり、「人間万事塞翁が馬」が決断で、
それまで以上の“選ばれるビジネス”を
創り出せるということだ。


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落ち着き漂うホテルの一室

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中庭には“粋”を感じる心遣い

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憩いの場という言葉がぴったり

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ロビーにも和の心

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寺田本家のツアー風景

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