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これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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はなまるア・ラ・カルト

02/09
2015

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“ブランド”は世間が育んでくれるもの

我が家にはトラが住み着いている。

キラキラと金色に光るトラが数匹、
いつも手に届きそうなところで黒い紙袋に
貼りつき、整列しながらいる。

もう、お分かりだろうが、
創業約480年の老舗和菓子店
虎屋の紙袋のことだ。

この紙袋は、銀座を歩く御婦人方が、
堂々と持ち歩くほど、
世間の認知度と人気は高い
(私自身は、取材の時以外ほとんど
手にすることのない特別な紙袋だが…)。

人気の理由は、描かれているトラが、
明治時代~大正時代にかけて大活躍した
文人画家・富岡鉄斎が描いたものと
いわれているからか(諸説あるそうだが…)?

いや、私はそうは思わない。

この紙袋の金色のトラには、
虎屋自体が持つブランドイメージが
見事に反映されているからなのだ!!

最近では、書籍や雑誌などに、
「利益を生み出す熱狂ブランドの作り方」など
という言葉を見かける。

そこには、ブランドイメージは戦略的に
確立できるというようなことが多く書かれている。

しかし、私はそう簡単にブランドイメージを
確立することはできないと考えている。

虎屋は約480年の長い時間をかけ、
企業哲学や理念を反映させながら、
コツコツと事業展開を徹底してきた。

そして、そんな虎屋の仕事ぶりを見た
世間の人々による、口伝えや実体験を通じて、
こうした虎屋イメージは
作り上げられてきたのだ。

それは、虎屋がいいものづくりの徹底、
人づくりの徹底を長年追求し続けてきたことに
対して世間が評価し、育まれてきたもの。

すなわち、そのブランドは、
企業がつくったものではなく、
世間がつくってきたもの。

虎屋のマネージャーに伺った話なのだが…
研修を終えた新入社員が
いざ、店頭で働き始めると、
最初は先輩たちのようにうまくはいかない。

そこで、ごひいきのお客様たちが、
その対応に対して助言をしてくださったり、
スタッフも育ててもらっているのだと。

まさに、お客様や、世間が虎屋を
育んでくれているということなのだ。

企業哲学や理念を
事業展開に徹底し、“積小為大”、“先義後利”を
常に意識して歩んできた賜物といえるだろう。

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虎屋といったらこのマーク!

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おしゃれな銀座に虎屋が光る

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全国各地で虎屋はにぎわう!

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誰もが知っている虎屋紙袋!

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