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はなまるア・ラ・カルト

03/16
2015

ara (1)

福岡正信氏から学ぶ“一事が万事”

「奇跡のリンゴ」でおなじみの木村秋則氏。
木村氏が無農薬栽培を始めたのは、
ある本との出会いがきっかけだという。

それが、福岡正信著『自然農法 わら一本の革命』だ。
これは「自然農法」の創始者(?)である福岡氏が、
自ら実践した農法や思想について書き記したものだ。

実は福岡氏の名前は、木村氏に限らず、
里山ビジネスを追求する中で度々聞いていた。
そして先日、ついにその著書を手にすることになったのだ。

福岡氏の「自然農法」では、
害虫対策の農薬や効率的な耕作法といった
“人の知恵”を否定し、なるべく手間をかけず、
自然のサイクルのみで作物を作ることを主としている。

すなわち、化学肥料を使わず、
無農薬での栽培を行うということだ。

福岡氏はこの農法を30年実践し、その収穫量も、
通常栽培のものとほとんど変わらない
レベルを実現したという(品質としては、
こちらのほうがず~っと高いことになると思うが…)。

このように、作物をより効率的に育てるために
“あえて手間をかける”現代の「足し算の農業」に対し、
福岡氏の農業は、それらを“あえて行わない”
「引き算の農業」といえる。

私が注目したのは、この「引き算」。
すなわち「余計なことをしない」という考え方だ。
まさにこれは、農業に限ったことではないからだ。

そこでひらめいたのが“一事が万事”の発想。

例えば、ドラッグストア。病気を治すため、
予防のために必要といわれる薬は、
果たして本当に体にとって良いものなのだろうか。

薬を飲み続けて得る健康より、
自然に近い環境で体への
負担が無い生活を過ごすほうが健全だ。
医者にかかる機会がなければ、
薬も医者も必要ないのだ。

また、教育も挙げられる。
学歴社会といわれるような格差が生まれたことにより、
さまざまな塾や学習機会が作られ、
お金と時間を費やすことになった。

こんな勉強が本当に必要なのだろうか
(その勉強はほとんど世の中の役に
立っていないように思えるのだが…)。
そして、その日々で精神的ストレスを溜め、
体を壊してしまうのは、本末転倒なのではないだろうか。

このように、現代は「余計な手間」を
かけさせられるものばかりが溢れている。
これらは、本当は必要ないものに対して、
さも「必要である」かのように常識化、
さらにはそれをビジネスにしているように思えてしまう。

福岡氏が実践・証明したことは
“一事が万事”と思っても間違いないのではないだろうか。

近年、「里山」に対して注目が集まっているというが、
生活者も、このような現代の“本末転倒”さに
気づき始めているのかもしれない。
今こそ「余計な手間をかけない
シンプルな世の中」が求められているのだ。

この本を読んだ木村氏は、
福岡氏の「自然農法」をリンゴで実践しようと試み、
成功するのに15年以上もの歳月を要したという。
いざ「余計な手間をかけない」を実践しようとしても、
その効果が現れるには長い時間が必要ということだ。

とはいうものの、
まずは一歩を踏み出さないことには何事も始まらない。
長期的な視点を持っての第一歩が大切なのだ。

ara (1)

ついに読むことができた!

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「余計な手間をかけない」の実践とは?

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