07/06
2015
イタリア流文化の継承
今年の海外研修ツアーで訪れたイタリアでは、
フィレンツェ郊外にある宿泊施設も備えた
「クッキング・アカデミー」へ。
このクッキング・アカデミー、
ビジ達を愛読している方はご存知でしょう!
料理人として約35年以上日本に腰を据えて活動されている、
カルミネ・コッツォリーノ氏が運営しているのだ。
のびのびと栽培されている
ぶどう畑やさくらんぼ畑を眺めながら、
およそ10ヘクタールもある敷地内を案内していただいた。
その際カルミネ氏から、
とても興味深いことを伺った。
ええ~~~!? 何とイタリアでは、
土地を買って家を建てるということがNGなのだそうだ
(もちろん、地域柄によってのルールなのかもしれないが)。
日本では、購入した土地に家を建てることは一般的。
だがこのフィレンツェ郊外のルールでは、
自分の土地であろうと、
個人の意思で家を建ててはいけないようなのだ。
すでにある家や建物を土地と共に買い取り、
そこをリフォームするしかないという。
実際に「クッキング・アカデミー」は、
もともと修道院だった場所をリフォームしてつくられている。
イタリアといえば、
世界に誇る古くからの文化や
多くの世界遺産が現存している。
そしてどの街をとっても、
屋根や壁の色合いが統一された、
美しい景色が浮かび上がる。
勝手に家を建ててはいけないのは、
世界遺産そのものだけではなく、
街全体の景観を守り抜くためなのだ。
過去の遺産を守り抜くイタリアを見て感じたこと…。
それは施設や形あるものである「ハード面」を
伝承していかなければ、
その価値観である「ソフト面」をも、
次の世代に残せないのではないだろうかということ。
ツアーの道中に立ち寄った
ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマといった
有名な街には多くの世界遺産がある。
しかしどこの街も、
これほど徹底して維持に努めていることに驚き!
そんなイタリアの姿からは、
我々も学ぶべきところが多いはず。
なぜなら少子高齢化が進む中、
日本の人口が増加していた頃のように、
次々と新しいものを作る必要性がなくなってきている。
だからこそ、
これから先につなげていかなくてはならないものや、
ここまで残ってきている文化に深く関わるものを
守っていく必要がある。
人口減少という大きな変化を迎える中、
日本も次世代につなげるべきものを
大切にする価値観を徹底するべきなのだろう。
「イタリアの振り見て我が振り直せ」。
やはりいいところは見習い、
悪いところは直すということ。
海外にいる際に日本を見つめなおすと、
本当気付かされることがたくさんあるんだよねぇ。