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はなまるア・ラ・カルト

05/01
2017

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“ブランディング1.3”

1mの棒の後に1m20㎝の棒を置いてみる。
意外に思われるかもしれないが、
その差をすぐに認識できる人は少ないという。

これが「1.3倍の法則」であり
人は脳で判断する時、比較対象に
1.3倍以上の差がないと
その違いを認識しにくい、というものだ。

先日、石川県にある和倉温泉に行ってきた。
一般的に和倉温泉といえば、
“加賀屋”という名が出てくるのだが…
私が訪問したのは多田屋。
業界通の知人からお墨付きがあり、宿泊したのだ。

その際、若旦那に話を伺ったところ、
この温泉地において加賀屋の存在は
とにかく大きいという。
がしかし、多田屋もその近くの立地ながら
どうにかその存在をアピールし、
お客様に選ばれているそうだ。

その理由は一体何か?

その若旦那は6代目。
和倉温泉においては、
加賀屋との差別化が重要だという。
(なんと、多田屋からほんの1、2分の場所に
加賀屋があるのだとか…)

そこで、多田屋のブランディングに打ち出したのが
「都会の喧騒を忘れて、
能登湾の静寂に身も心も委ねてほしい。」
というコンセプトだ。

加賀屋が大きな器を持つ
煌びやかなイメージの旅館だとすると、
多田屋は海を観る目線に合わせたような
シックで閑静な旅館。
だから、目の前に広がる能登湾から、
美しい夕日を堪能できることがアピールポイント。

つまり、静寂な温泉宿を楽しみたい人たちには
もってこいのスポットなのだ。

ここで“ブランディング1.3”が活きてくる!

たとえ概念・イメージ的なものでも、
1.3倍以上の差別化をしっかり図らなければ
その差を認識してくれないということ。

たとえば、ヨーロッパやアメリカの方々が
多く宿泊している庭のホテル東京。
アプローチや中庭の和のイメージだけでなく、
各部屋の茶器や障子など、こだわりの内装でも
他のホテルとは1.3倍以上の違いを伝えている。

つまり自分たちが1.3倍くらいの
差をつけたつもりでも、お客様にしっかり
その差が伝わっていなければ無意味なのだ。
・・・ということは、1.5倍を目指す位がちょうどよく
結果1.3倍位に落ち着くということだろう。

この“ブランディング1.3”をしっかり意識することが、
ビジネスを成功に導く展開といえそうだ!

ブランディングにも「1.3倍の法則」は活きているのだ。

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和倉温泉「多田屋」6代目主人 多田健太郎社長

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差別化を図ることで、ブランディングに成功している

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木下彩社長の「庭のホテル東京」も“ブランディング1.3”の一例だろう

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