09/04
2017
乳頭温泉郷、繁盛の理由
人里離れ、山懐に抱かれたひなびた一軒宿。
まさに秘湯。
幾百年の時を超え、湯守りの手により今に甦った。
癒しの湯宿。
ここが乳頭温泉郷の秘湯 鶴の湯温泉。
見るからに古い。
いや、とにかく由緒ある温泉宿なのだ。
1638年には秋田藩主の佐竹義隆公が湯治にみえたという。
なんと、三代将軍 徳川家光の時代である。
これで、この鶴の湯の存在価値が伝わっただろうか。
この一見古く鄙びた建屋のいわれが理解していただけたはず。
とはいえ、人の手が入らないと素朴さは雑に変わり、
入りすぎれば郷愁を失うという。
関係者は、あれこれ気を使いながら永らえできたのだ。
それにしても、秋田県の雪の多い山里に位置するわけで、
私はこの建物でこのつくりで耐えられるのかと思った次第。
さて、ここ乳頭温泉郷。
多くの人たちから何度もその名を耳にし、
その響きからもあれこれ夢見て来たわけだが…
(その名は近くにあるそのカタチから
名付けられた乳頭山に由来するという)
この鶴の湯はとにかく、露天風呂が充実している。
もちろん、女性専用の露天風呂も存在するのだが、
混浴露天風呂もしっかり用意されていたのだ。
(ふっふっふっ…)
そして、いくつもある湯船それぞれの泉質も違い、
その効能も違ってくるという。
(すばらしい!)
ところが、私が鶴の湯に辿り着いたのはもう午後の4時過ぎで、
受付には“日帰り入浴は終了”という札が…
そう、乳頭温泉混浴露天風呂の夢は断たれたのだった。
それにしても、ちょっと覗いた露天風呂も
脱衣所のある建屋も含め敷地内のどれもが
情緒ある雰囲気を演出してくれているのだ。
各建屋の茅葺き屋根は、約6年ごとに葺き替え作業をしているという。
この鶴の湯の“いまどき”を感じさせないこの徹底ぶりが、
何ヵ月も予約がいっぱいになる理由なのだろう。
そこで、“秘湯 鶴の湯”の繁盛の理由をチェック!
手間をかける、本物にこだわる、とことん追求する、
人に優しい、ロングレンジの発想、大胆で潔い、徹底の二乗。
ある名のある経営デザイナーが度々口にしている
“選ばルール7”にしっかり合致しているではないか!!!
十分、秘湯 鶴の湯には多くの人たちから選ばれる理由があるということ。
確かにこの7つには敵ってはいるが…
でも、混浴露天風呂を体験せずして、
私の合格点は与えられない。