01/22
2018
手塚治虫『火の鳥』が語っていたこと
ダニューバー「私の計算はいつだって正しいのです。
ハレルヤ、私にしたがいなさい」
ハレルヤ「私に、あなたにしたがえって!?
あなたとは合わないわ。
どっちかが消えるべきなのだわ」
ダニューバー「そうね戦争ね!」
ハレルヤ「私の計算では戦争以外にありません」
このやり取りは、約50年前に手塚治虫先生が描いた
『火の鳥No.2』の未来編にある1コマ。
なんと、設定は西暦3404年。
“ダニューバー”も“ハレルヤ”も、
それぞれの国(メガロポリス)を代表するコンピュータ(AI)であり、
権威を持った最終決断者(?)なのだ。
(このシーンを思い出し、
約10年ぶりに、書棚の『火の鳥』を捲ってみた)
それぞれの国は、秘密裡にすべてのメガロポリスに
核爆弾をしかけていたことで、
この2つのメガロポリスだけでなく地球上にあった
5つすべてのメガロポリスが破壊されることになった。
結果、地球は多量の放射能に覆われ、
あらゆる生命を消し去ることに…
手塚先生は、50年以上前に、コンピュータ(AI)が
次第に権威を持ち、人間ではなくコンピュータが
最終決断をする時代が来ると予想していたということ。
(マンガというメディだが、スゴい発想力? 創造力?)
50年前って、1967~8年の頃。
ベトナム戦争真っ只中で、中国が初の水爆実験。
まだまだ“コンピュータ”という言葉ですらポピュラーでなく、
インターネットはまだ歴史を刻みはじめてはいない頃なのだ。
今、私は落合陽一氏の本を手にして、
コンピュータであり、インターネットにより、
これからの社会が、ビジネスがどう変わっていくかを
研究しているわけだが…
ホワイトカラーと言われている人たちのその多くは、
コンピュータに取って代わられ、
コンピュータがさまざまなシーンで必要な指示を
出すことになるのだと。
(うんうん、そうなるのは必至かも…)
先日観た「ブレードランナー2049」もそうだったが、
かなりの部分で50年前に描かれた
『火の鳥』とオーバーラップするのだ。
私たちが望むと望まないに関わらず、
コンピュータの社会はさまざまなテクノロジーと共に
どんどん進化していくのは間違いない。
人間とコンピュータのそれぞれの得意な分野により
棲み分けが進み、新たな社会システムやビジネスが
次第に構築されていくことだろう。
これがまさにパラダイムシフトの
過渡期なればこその変化ということ。
さて、社会システムやビジネスがどのようなレベルで
変化していくか、もっともっと研究しなければ…
手塚先生の『火の鳥』の設定は、西暦3404年だったが…
もしかしたら、1000年早い2404年くらいに
その時は来るのかもしれない。
いや、もっと早いかも…