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05/21
2018

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里山ココ・ファームからの恵み

「こんなはずじゃなかったんだけどねぇ~」
これは、初めて川田昇園長(故)とお会いしたときの第一声。
2009年の春だったような…
私は思わず「えっ!? それってどういうことですか?」と
聞くしかなかったのだ。

久々に訪れた足利の三角山は、
新緑の風を受けワクワクしていた。
そして入口に掲げられていたパネルには、
今年で葡萄畑開墾60周年と。

川田園長たちが私財を投じて足利の山林を買い、
障害を持つ彼らと開墾することになって
もう60年が経ったという。

残念ながら川田園長はもういないが、
立派な三角山とワイナリーがここにしっかりと存在する。

私がココ・ファーム・ワイナリーを知ったのは、
1999年に出版された「山の学園はワイナリー」
という本に出会ったからだ。
そして、ついに川田園長に会えることになり、
お会いしたときの第一声が冒頭の
「こんなはずじゃ…」だったのだ。

1958年、川田さん37歳。
学園の生徒たちは中学生だったわけだから15歳前後。
この子たちの働き場所をつくらないことには、
自立はありえないと考えた。
そこでいろいろと動き回り、
足利のこの急斜面の三角山に辿り着いたということ。

すなわち、36人の子どもらの自立のために
山林を買い、開墾し、葡萄など果樹栽培をしようと考えたのだ。

そこから約50年経った頃、
川田園長は80代も後半に入り子ども達も70代に。

川田園長は、この子らを自立させ、
そして彼らの最後を看取ってやろうと思っていたという。
ところが、子どもらは三角山での自然相手の日常により、
自信に満ちた健康で誠実な農夫に変わって行った。

だから90歳に近くなった川田園長は、
70歳を超える年齢になっても健康で逞しい彼らの姿を見て
「こんなはずじゃなかったんだけどねぇ~」
という言葉になったのだ。

川田園長からすれば、嬉しい誤算だったということ。
この誤算も、目の前の里山とのやり取りを大切にしながら、
子どもたちと必死に生きてきたからこその
“自然からの恵み”なのかもしれない。

そして、ココ・ファーム・ワイナリーでつくられるワインも、
自然の恵みを十二分に引き出し、多くの人たちに愛される
美味しさを発信し続けているのだろう。

ココ・ファームのシャルドネ主体の辛口ワイン
「風のエチュード」は、JALの国際線の
ファーストクラスラウンジで利用されているという。
(本当に美味しいんだよねぇ~)
とにかく里山と仲よくすることは、
いろいろな恵みを私たちに与えてくれることにつながるのだ。

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久々に訪れた足利の三角山

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今年で葡萄畑開墾60周年

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里山と仲よくすることは、恵みを与えてくれる

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残念ながら川田園長はもういないが…

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