06/18
2018
秋保おはぎ「さいち」のタテの経営
「帰省する娘と孫におはぎを食べさせたい」
こんな年配の女性客の相談から
おはぎづくりは始まった。
今や秋保(あきう)おはぎは平日で5,000個、
お彼岸には20,000個売れるという。
1個105円だから、1日で525,000円!
×30日×12か月で1億8900万円の売上げ。
あくまでおはぎだけの売り上げでだ。
これに人気のお惣菜の売り上げが2億円超。
すなわち、おはぎも並ぶお惣菜の通路だけで
年4億円を稼いでいるのだ。
(お店の年商は7億円となる)
スゴ~~~。
セブンイレブンの日販の平均がついに70万円になったというから、
年間で約2億5,500万円。
店の大きさ的にコンビニに近いスーパー“さいち”が
いかにスゴい集客力を持っているか伝わっただろうか。
とにかく手間のかかるおはぎも含めた家庭料理に注力し、
仙台の中心から30分はかかるほどの温泉地でありながら、
これだけの実績をつくりあげたのだ。
だから“さいち”の佐藤啓二社長は83歳で
おはぎと同じくらい…いやおはぎ以上に輝いて見える。
(これって褒めてない!?)
そしてこのお総菜コーナーの立役者である
佐藤澄子専務(奥様)のレパートリーは、
なんと500種類を超えているという。
この徹底したお惣菜づくりの追求心がスゴイのだ。
その昔、お客さまのちょっとしたクレームから、
300種類はあったというレシピマニュアルを
捨ててしまったという。
(まぁ~通常は捨てはしないと思うけど…)
そのこともあって、
調理スタッフの誰もが、味に対する責任を持ち、
より美味しい惣菜づくりが可能になったようだ。
いろいろな葛藤があって、そして潔い決断。
それを徹底したその先にこそ、
他の人たちがたどり着けない
ステージがあるということなのだろう。
私が“さいち”を最初に取材させてもらってから約15年。
その姿勢と情熱はいまだに変わっていない。
まさに他のスーパーやお惣菜屋さんを気にせず
とにかく“さいち”のあり方を
追求する姿勢であり展開なのだ。
まさに「タテの発想」であり、「タテの経営」がここにある。