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2019
「さぼうる」が65年も続く理由!?
えっ、1955年4月にオープン!?
てことは、私と同い年の「さぼうる」だったのだ。
今年で65年目ってこと。
(素晴らしい!)
先日紹介したスティーブ・ジョブズも含めて
このところ同い年に関わることが多い。
私が65年生きてくるのはそれほど難しいことはないが、
「さぼうる」のようなお店が65年間変わらず存在してくることは
かなり狭き門なはず。
私が「さぼうる」に通っていたのは
20代半ばの頃だから、なんと約40年前。
同僚たちとこの店でモーニングセットを注文し、
週末の競馬の予想をしながら美人スタッフをからかっていた記憶が。
(若気の至り…σ(^_^;)
もしかしたら人は、これを“サボる”というのかもしれないが…
実は「さぼうる」は、スペイン語の「SABOR=味・旨味」に由来し、
“サボる”ためのお店というわけではないようだ。
それはともかく…
その後もときどき思い出したように来店するわけだが、
店頭のトーテンポールはもちろん、
看板も、内装も、そしてその風情も変わってない。
久々に注文したモーニングも見た目はほとんど変わっていなかったのだ。
40年も経つというのに…
あの頃と違うことといえば、入り口にスクッと立っていた
姿勢のいい鈴木店長がいないことくらいだろうか。
聞いてみると、ちょっとした怪我で療養中だという。
(もちろん、また店頭に立つ予定だという。よかったよかった)
オープンから少し前まで店主で店長としてお店に立っていたわけだから
なんと64年間ず〜っとお店の看板となっていたのだ。
(今なんと86歳だという)
とはいえ、神保町は学生街ということもあり
贔屓客はどんどん変わっていくわけだが、
それでもお店は相変わらず繁盛している。
そして、お店の隣にはいつのまにか「さぼうる2」ができていて、
この店も行列ができるほど繁盛しているというのだ。
時代の変化に合わせ変えていかなければ継続は難しいと
経営者の間ではよく言われるわけだが、
このお店は64年間ほとんど変わらないで継続してきているのだ。
この山小屋風の造りと「さぼうる」なればこその独特の雰囲気、
そして、店長の“勤勉で正直”な姿勢が、
「さぼうる」ブランドをこの地に創りあげていったのだろう。
あ〜もしかしたら鈴木店長は倹約家でもあったかもしれない。
正直で、勤勉で、倹約といえば…
そう、先日開講290年の記念イベントを開催した思想家「石田梅岩」である。
30年続く飲食店が1%もいない時代に
その姿を変えずに65年の永きを継続してくるには、
やっぱり店主の人間性と経営者としての姿勢なのだろう。
もしかしたら鈴木店主も「石門心学」を学んでいたのかもしれない。
今度、復活して店頭に立ってるときに、是非聞いてみよっと!?