06/17
2013
「ながら歩き」と便利の裏側
このところ“ニューヨークが似合う中島”と
言われていることもあり、ニューヨークの話題から。
ニューヨークでも「LOOK!」キャンペーンが開催。
これは、ニューヨーク市内で1年間に約1万件に近い
交通事故が発生した背景からとのこと。
もちろん、スマホユーザーによる
見ながら歩きへの注意喚起ということだ
(確かにマンハッタンでも、多くの人たちがスマホに見入っていた)。
そして東京でも、携帯電話を見ながら歩いていた小学生が、
ホームから誤って転落。
その為、「ながら歩き」を防止するキャンペーンが始まっている。
いや、これらのキャンペーンのず~っと前から
多くの人たちが、イヤな思いをしたり、
「危ない!」と叫んだりしていたのだ。
ちなみに、日本では、2,500万台を超すスマホが
巷に出回っているということ。
耳をイヤホンでふさぎながら、目は画面を見て、
左手はスマホを持ち、右手は画面を必死になぞる。
これで上半身はすでにフル活用状態だ
(武士なら、丸腰で大きなアクビをしている状態)。
これでも、イスに座っているのなら問題はなし。
または、人通りの少ないところで立ち止まっての
ことなら人々はやさしく見守ってくれる。
ところがところがだ。
これで下半身の2本の脚も活用して「ながら歩き」をしてしまうから、
大きな問題に発展するのだ。
一番の問題は、健常者同士ではない。
視覚障がい者の人たちだ。
「杖を蹴られた」「真正面からぶつかられた」
「立ち止まったのだが、止まってくれなかった」などの声が…。
これでは、障がい者や車イス、高齢者など
弱者の人たちは、たまったものではないはず
(健常者の私でも、ブーブー言いたくなるのだが)。
だからと、ここでスマホユーザーの方々に
「注意してください!」と言いたい…訳ではない。
ここで問題としたいのは…。
いろいろな便利ツールを企業たちが
競争しながら次から次へと開発してくれる。
ところが、必ずや、その便利には、“裏側”が存在するということ。
ビジ達流でいうところの“便利の裏側”だ。
この経済活動の“便利の裏側”に潜む、
マナーやモラルの崩壊や自己中心主義が
今後の社会の大きな問題に思えてならない。
“覆水盆に返らず”だ。
一度、崩壊してしまった価値観は、
なかなかもとには戻れないだろうから。
企業は、やはり、その裏側まで責任を持って
企業活動をしなければならないはずなのだ。
これこそが、本当の“CSR=企業の社会的責任”なのではないだろうか
(よく偽善的な“CSR”を耳にするが、
私に言わせればそれらはあくまで茶番でしかないのだ)。