09/12
2016
日高山脈の麓の“不屈の精神”との出会い
(私)「こんにちは~、これは大変な被害ですねぇ~。
この状態を見ているとまるでここに川が流れていたような…」
(Tさん)「そうですねぇ~、ここウチの畑だったんですよ~」
(あちゃぁ~、被害者の農家の人に声かけちゃった…)
(Tさん)「こっちは牧草地で、こっちはデントコーンの畑で…」
(私)「流されたのは、面積にするとどのくらいですか!? 」
(Tさん)「3ヘクタールくらいかなぁ~」
(東京ドームは約4、5ヘクタールだから…、げっ…フォローの言葉がない…)
(Tさん)「その先の下流の方には、もっと大変な人たちが
たくさんいますから…」
ここは北海道十勝の芽室町の小さな集落「上美生」。
今回の北海道を襲った台風で大きな被害を出した地域のひとつ。
まさに、私の出身地なのだ。
もちろん、この地域に、ワインヴァレー構想の
ぶどうの苗を植えてくれている人もいる。
この石と砂、そして流れている水…いや川を見ると、
ここはもともと川だったのでは、と思ってしまう。
ところが、ここから200メートルくらいのところに、
まだ勢いのある濁流が、とうとうと流れている
「美生川」は存在するのだ。
すなわちここには道路と畑はあったが、
小さな川すらなかったところ。
冠水した芽室の街中は、ニュースにもなったりするのだが、
山奥の畑や道路の冠水はなかなか注目されず仕舞い。
実は、畑の作物も流されたが、畑自身も流され、
物流のための道も橋も流されたのだ。
この被害の状況は、農家としては当然死活問題だろう。
“これじゃ、農家なんてやってられない!”
と言うかと思いきやTさんは…、
「まぁ、このくらいで済んだからよかった。
この畑だって、もう一度土さえ入れればすぐ復活する。
どうにかなりますよ。」
と力強く語ってくれた。
すご~い。さすがである。
これが、北海道の日高山脈の麓の厳しい環境で
育まれてきた農家としての“不屈の精神”。
実は被害にあった人と話をすると、
別れるときの最後の言葉にこまるのだ。
うんうん、やっぱり環境で人は育まれてくる。
順風満帆にはいかないところに、強い精神が宿るのだ。
ここでビジ達流解釈。
私たちのビジネスにおいても、
七転び八起きの途上でさまざまなことを学び、
次なるステージに上がるためのあれこれが備わるということ。
そして、もっと強い精神と新たなノウハウの構築が、
次なる時代を担う開拓者を創って行くこととなるのだろう。
すなわち、チャレンジすればさまざまなトラブルや災難、失敗が
やって来るのは当たり前。それらにどう対処し、
次なるチャレンジにどう活かすかということ。
私たちは常にロングレンジで物事を捉え、考え、
そして行動することが重要なのだ。
いまの時代、“Think Global Act Local”も大切だが、
やっぱりここは、中島流の
“Think Longrange Act Tomorrow”
これでしょ!
さて、この被害にあった地域の人々に、
私たちは何ができるだろうか!?