10/03
2016
“サギの恩返し”
あっ、白サギがこんなところに!
スマホでパシャッ!
おっ、こっちには青サギが…パシャッ!
ここは都心の飯田橋駅。
その外堀にサギが降りるとは…
それも白サギも青サギも…
おっ、あっちにも白サギが。
この時間は、引き潮の時間帯でもあり、
浅くなっていたからだろう。
それにしてもサギは美しい。
その小顔さも、スレンダーな姿も美しい。
自然がつくり上げた姿は本当に美しいものだ。
(私の好きな鳥のひとつなのだ)
それにしても、どこからやって来るのだろう!?
なぜ、ここに!?
もしかしたら…、
ここは私が毎朝タバコの吸い殻を拾うところ。
その行為に対して鶴の恩返しならぬ“サギの恩返し”とか!?
(そんなことはないか)
まぁ~、あの鶴の物語は、
直接助けたから恩返しがあったわけだし…。
それはともかく、いろいろと考えてみると、
サギも住みにくくなったことだろう。
田圃が少なくなったことや、農薬の散布でエサがなくなり、
行き場を失っているのが実際。
いや、それだけでなく、弱い者をターゲットにした
いろんな“サギ”が横行していることも。
実は、彼ら彼女らは、肩身の狭い思いをしているに違いないのだ。
その事例とも言える“サギ”の恩返しを紹介しよう!
●
ある都心のまちで働く、北海道出身の青年ビジネスマン。
お金を貯め、起業を目指していたのだが、
働けど働けど、お金はなかなか貯まらない。
そんなとき、痩せぎみで小柄な一羽のツルが、
薄暗くなった皇居のお堀のたもとで
羽根をバタつかせていたという。
その姿を見るやいなや、田舎を思い出し、
手助けのために近づいて行った。
この人ならと思ったその鳥は、
その青年の手助けを借り、無事、西の空に羽ばたいていったという。
青年もその日は、いい気分で帰路についたのだった。
それから数日過ぎたある日、
青年のスマホに知らない番号から、電話がかかってきた。
「不審な者ではありません。あのとき助けていただいた鳥です。
あのときは、ちょっと身体の調子が悪かったもので…
ありがとうございました。
できれば、お礼をしたいと思うのですが…、
残念ながら私は若いこともあり、
機(はた)を織る技術もなければ、羽根の量も少なく、
物語のようなご期待には応えられないのです。
そこで…代々伝わる運気を読むチカラをつかって、
値上がりする株の投資先ならわかるのです。
とはいえ、私たち鳥には、まず元手となるお金もありません。
必ずや、大きく太らせますので、100万円をこちらの
口座に振り込んで欲しいのですが…」
なかなか起業資金が貯まらない青年は、何も疑うこともなく
その話に乗り、ワクワクしながら100万円を
その口座に振り込んだという。
それから1ヵ月経つが、そのツルからは何の連絡も
なかった。そこで、例の番号に折り返してみると…
「この番号は、お客様の都合により通話ができなくなっております」
この時、やっとその青年は気づいたという。
あの鳥は、ツルではなく、サギだったことを…。
<チャンチャン>
(これは中島流の“サギの恩返し”だったわけだが…)
●
というわけで、何も悪いことをしていない、
美しい鷺(サギ)は、その名前だけでサギ(詐欺)扱い
されてしまっているということ。
それにしても詐欺集団も、手を替え品を替え、
次から次へとアプローチしてくるねぇ~。
この巧妙さとあきらめないエネルギーを真っ当なビジネスへ活用したら、
社会に喜ばれるようないいビジネス展開ができるような気もするけど…
そう思いません!?
それにしても本物の鷺は美しい!