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2022
『イーロン・マスクはステーブ・ジョブズを超えたのか』 竹内一正著
竹内一正氏はスティーブ・ジョブズの本を10冊以上、
イーロン・マスクの本もすでに8冊くらい上梓している。
私と同い年のジョブズからビジネスのヒントを学びたいと
ジョブズの本を手にしてみるとそのほとんどが竹内一正著。
これからはイーロン・マスクの時代と思い、
イーロン・マスクの本を手にしてみても竹内一正著だ。
そしてついに『イーロン・マスクはスティーブ・ジョブズを超えたのか』
という二人を掛け合わせた本を出版した。
アップルを創業したスティーブ・ジョブズ。
「電気自動車企業テスラと宇宙開発企業スペースXを
率いるイーロン・マスク。
二人は希代の天才経営者と称されるが…」という流れで始まる。
竹内氏はそもそも、この二人を比較し、
白黒つけようとしているわけではない。
この書籍の読みどころを紹介しよう。
まずはジョブズ。
もし今も“アップル”のCEOをしていたら、アップルはきっと
大変なことになっていただろう。
場合によっては倒産していたかも?!。
ジョブズが関心があるのは新製品開発だけであり、
環境問題など眼中になかったのだ。
(今のCEOのティム・クックは別だが…)
そしてイーロン・マスク。
“テスラ”は2020年に時価総額でトヨタを抜き、
自動車メーカーとして世界一になった。
その背景は地球温暖化への危機感が
テスラの背中を押してくれたことは間違いない。
(そもそもテスラは2003年の創業から17年間は赤字続きだった)
もう一つの会社“スペースX”は
“人類を火星に移住させる”とマスクは豪語したが、
当時は誰も信じなかった
2000年代に入ってから、NASAによる
宇宙開発の民営化推進がスペースXを後押しした。
結果としてマスクがもし10年早く生まれていたら、
テスラのEVも、スペースXのファルコンロケットも
失敗していただろう。
と書かれている。
いずれにせよ、天才経営者でも、時代の流れに逆らって
成功を手にすることはできないということ。
すなわち、地球規模で流れるビジネスの時流をどう捉え、
どう乗るかが重要なポイントとなってくるわけだ。
そして、私が本の中で“言い得て妙”と思った見出しフレーズが、
◆「今を見て、未来を創ったジョブズ」
目の前の時代の波に乗ることで成功をつかんできたジョブズ。
◆「未来を決めて、今を創るマスク」
時代の波を自分で創ることで、思い描いた未来を実現しようとするマスク。
時代的にも近くにいた二人だが、同じ土俵に上げて
比較することはできない。
それは、今活躍する大谷選手と
ベーブ・ルースを比較するようなものなのだ。
とはいえ、ジョブズとマスクのスゴさが分かる
書籍であることは間違いない。