09/25
2017
奥田政行シェフの“志事道”
今回は、高い志を持った仕事人の“志事道”として紹介したい。
そう、注目するのは“志”ということ。
ビジネスの達人ではすっかりお馴染みの、奥田シェフ。
「つるおか食文化市場FOODEVER」をオープンさせたということで、先日、山形県の鶴岡まで早速行ってきた。
新鮮な食材が買えるマルシェに、
イタリアンから日本食まで楽しめるレストランエリア。
ビルの1階フロア全体が、鶴岡の“食”を楽しめる場所となっていた。
さて、このFOODEVERはどういう目的でつくられたのだろう。
そこには奥田シェフの“志”が大きく関わっているのだ。
奥田シェフは、東京で料理人としての技術を磨いていたが、
思うところがあり、25歳で鶴岡に戻ることに。
そして、鶴岡に戻ったとき目に映ったのは、
元気を無くし暗いイメージの地元の姿だったという。
そのとき奥田シェフは
「自分がこの鶴岡を元気に、明るくするぞ」と心に決め、地元ホテルの料理人の仕事についたという。
その後、注目のイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」をオープンするに至るのだ。
そこから庄内の地域食材にこだわり、
さまざまな奥田流の料理を生み出し続けてきた。
だから地元食材の維持にも、奥田シェフがかけ回り、販売先を確保することも。
それらの料理人を超えた活動が評価され、さまざまなメディアに取り上げられることに。
そして「世界の1000人のシェフ」に選出されたり、
ローマ法王に庄内産の食材を収めたり、と
地球規模での活躍を続けてこられた。
こうして、何十年もかけて技術を磨き、その名を世界中に届けてきた奥田シェフ。
鶴岡に戻り23年経った今、
志に向け次なるステージとしてこのFOODEVERの運営に全力で取り組んでいるということ。
こうした「鶴岡を明るくしたい」という行動は多くの人たちを巻き込み次なる展開に。
もちろん、毎日FOODEVERにいられるわけではない。
だが、技術や志をきちんと継承している人たちがそこにいる。
25歳で決めた想いを胸に、技術を磨き、場所を作り、人の想いを繋いできた。
決して一人では成し得ないことばかりである。
奥田シェフの「志に基づいた行動」こそが、多くの人が心を動かしてきた所以であろう。
これぞまさに、“志事道”である。