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07/12
2021

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次なる時代へ“美しい閉店”!!

日本一美味しいと言われていたクリームパンで
有名な神楽坂の亀井堂が閉店となった。
閉店のお知らせには、
「日頃より亀井堂をご利用頂き厚くお礼申し上げます。
この度、ビルの老朽化と職人の高齢化により
6月14日をもちまして営業を終了することとなりました。
オープン以来25年間皆様には温かく支えられ、
長年にわたるご愛顧に心から深く深く感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。
皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
神楽坂亀井堂 店主」と書いてあった。
筆文字で書かれているお知らせの紙の上部には
“KAMEI-DO”の文字と有名なクリームパンを擬人化して
パンに顔が描かれ、閉店のお知らせを小さな手で
持っているかわいらしい絵が添えられていた。

亀井堂は、数寄屋橋で35年間、
その後神楽坂に移転して26年間なので合わせて61年の
長きに渡り営業をしていたパン屋さんだ。
このお店は“昭和のお店”そのものだった。
お店での対応の仕方、店のつくり、販売しているパンの種類、
どれをみてもまさしく“ザ・昭和”のお店だった。

私も神楽坂に引っ越してきて16-17年経つが
亀井堂のパンはお土産にもらったり、お土産として渡したり
もちろん自分で食べもして、長いお付き合いだった。

この“閉店のお知らせ”を見て・・・、
“美しい閉店”だと感じた。
閉店の潔さ、必要と思われながら、惜しまれながら
閉店するのもいいものだと感じた。
お店にいたオバちゃんの顔を思い浮かべ、
元気なうちに閉店したことも嬉しいものだ。

私が創業したクォーターバックは今年で39年。
6-7年前に山田社長へ交代したが、
100年企業を目指しているわけではない。
ご存知のようにクォーターバックのウリは
“鮮度あるクリエイティビティ”。
時代に選ばれる仕事をしているのだが、
時代とともに必要とされる要求もセンスも変化していく。
もし、時代に求められなくなったら早いうちに察知して
閉めてもいいと思う。

企業にとって、大切なことは“存在理由”なのだ。
そして、存在理由に陰りが見えてきたら、
閉店でもいいではないか。
それこそが時代の変化とともに行われる
新陳代謝なのだ。

令和の時代にになった今は、人々が動くことで、
活性化が生まれ、生産性も上がるわけで、
企業としての新陳代謝も必要条件である。
新しい時代へと繋いでいくためにバトンを渡して
いくことも企業の役目だろう。

亀井堂は、昭和の時代には存在理由があったのだが、
今はその役目を終えたということ。
閉める店があれば、オープンする店もある。
役目を終えて、惜しまれながらも閉店した
亀井堂は次なる時代へバトンを渡す
“美しい閉店”だった。

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神楽坂の亀井堂が閉店となった

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次なる時代へバトンを渡す “美しい閉店”

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