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09/05
2022

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100歳のインパクト! 時代の文化と価値観の醸成について

先日“実践人の家”の東京研修会に参加させていただき、
普段はなかなか聞けない方々の講演を聴かせていただいた。
初めて臨済宗円覚寺派管長、横田南嶺先生のお話も
直接聴かせていただいた。
(“実践人の家”については別の機会に紹介する)

さて、今回の「選ばれる仕事道」のテーマは
100歳の鮫島純子(さめじますみこ)女史の
お話をこの“実践人の家”にて聞き思ったことだ。
鮫島純子女史は、渋沢栄一氏の孫にあたる方。
1922年生まれでちょうど100歳。
この100年間の自分の体験や生き様、祖父である渋沢栄一氏とのことを
矍鑠と80分間立ったまま明確なお話をしてくれた。

渋沢栄一氏といえば、“日本資本主義経済の父”とも称され、
「論語と算盤」の価値観にて、「経済は重要だが、
ただ己の利益を追求することのみを目的にしてはならず、
そこには道徳的観点が必要だ」と強く主張している。
その少し前に活躍した二宮尊徳氏の「道徳を忘れた経済は
罪悪である。しかし、経済を無視した道徳は寝言でしかない」に通じる。
時代は移っても良識ある日本人が着地する価値観は一緒ということだろう。

今回伝えたい話は、鮫島女史の話を聞き思いを巡らした
「時代の文化と価値観の醸成」についてだ。
鮫島純子女史は祖父である渋沢栄一氏と住まいは別だったが、
祖父に頭をなでてもらい、榮太郎の飴をもらったりした。
父親は栄一氏の三男の渋沢正雄氏。栄一氏の多くの事業を受けつぎ
実業家として活躍し、常に仕事と対峙する実直な父だったという。
鮫島女史はこのような環境で育ち学んだ。

渋沢栄一氏の精神を受け継ぎ、少女時代の質素倹約の暮らし方を
結婚後も実践。洋裁を習い、夫の私服や子供達や自分の着る物を
ほとんど手作りしたり、物を大事に長く使う工夫など、
生き方や生活全般に知恵が溢れている。

人はどの時代を生き、どんな文化を体験してきたかが、
その人の価値観に大きく影響する。
鮫島女史が、私たちの知らない1922年からの100年を
過ごしてきたことが鮫島女史の“仕事道”だ。

(後半は私も体験しているわけだが・・・)
この100年の間に鮫島女史が体験してきたことをあげると…、
“大正デモクラシー”、“大正ロマン”など多くの言葉
が生まれた大正時代の1922年生まれ
・大正から昭和にかけての戦争
・太平洋戦争そして敗戦
・戦後の厳しい社会環境からの復活
・1964年の東京オリンピック
・日本の経済の高度成長
・バブル経済崩壊
・TOKYO2020(2021年オリンピック)

鮫島女史の価値観形成には、祖父、渋沢栄一氏との交流、
仕事に実直に取り組む父親からの薫陶。
もちろんDNAによるパーソナリティが
寄与することもあるだろう。
このように育った環境と、時代の出来事がからみあい、
次なる時代の価値観が醸成されていくということ。

私が「時代の文化と価値観の醸成」に注力するのは、
今、ミレニアル世代やZ世代が
次の時代の社会やビジネスを創造しようとしているからだ。
彼らの“問題を発見し、意味を創出する”価値観は、
私の世代と大きく違う。これからはこの価値観が
次の時代を牽引すると思っている。

今回は鮫島女史の仕事道からの
「時代の文化と価値観の醸成」のお話でした。

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渋沢栄一氏の孫、鮫島純子女史

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