03/20
2023
学生たちが主役のレストランオープン! 新宿調理師専門学校、上神田流仕事道。
新宿の早朝清掃でも毎月顔を合わす
新宿調理師専門学校の生徒と先生方、そして上神田校長。
その新宿調理師専門学校に、レストランが去年11月にオープンしたそうだ。
先日、そのレストランで“東京 掃除に学ぶ会”の新年会が開催された。
私はこのレストランは初めての訪問だったのだが、
客席から白衣を纏った料理人の方々を見渡せるオープン厨房になっていて
通常のレストランとは雰囲気の違いは一目瞭然。
そして、出される料理も、和食が中心でどれも美味しい。
【学生たちが主役のレストラン、“饌”オープン!!】
この専門学校の1階にあるレストラン「饌(せん)」は、
調理師を目指す学生たちが主役なのだ。
学生たちは実践の場にやりがいを感じつつ、腕を磨いているという。
学校の1階にあった職員室を改装したレストランと聞いているが、
客席と調理場を隔てる壁はなく、広い店内を見渡せる。
実際は実習生の活動の場としてだけでなく、
多くの人たちに和食文化を伝える目的があるという。
提供されるメニューは「季節の料理御膳」だけのようだが…
調理場に立つ学生たちは…
“材料を切りそろえ、どの皿も同じように盛り付ける時に、
普段の実習では味わえないほど神経を使う”という。
また“調理場が見通せるので身だしなみ、姿勢、歩き方にも気を付ける”と。
そして調理に真剣に向き合う学生たちには、見渡せるお客さまの反応が
気になるし、その“美味しい”表情が一番の励みになると話していた。
とにかく学生からすると通常の授業では学べない、
リアリティある学びがたくさんあるということ。
通常の専門学校では発想しないこんな展開を実践してしまうのが
ここの校長の上神田梅雄氏だ。
【上神田校長の料理人としての姿勢が現れたレストラン?!】
私は上神田校長とはすでに長い付き合いなのだが、
掃除に取り組む時も、料理人としても、先生としても常に低姿勢で真剣だ。
校長は1975年にこの学校に入学した生徒だったという。
そして調理師専門学校を卒業してから、師匠に弟子入りし、
16年の修行時代を過ごした。
その後、いくつかの名のあるお店での料理長を経験し、
母校の校長を引き受けることに。
上神田校長は、もともと他人より不器用だという思いと、
他人より劣るという自覚が、少しでも人より優るための努力を
惜しまないでこれたのかもとおっしゃっていた。
ということから“地味な仕事を疎かにしない”という境地に至ったという。
この目の前の小さなことに必死に取り組む姿勢こそが、
今の上神田校長をつくり上げてきたということ。
(まさに鍵山秀三郎相談役が、掃除を通して実践してきた価値観!!)
だから他人を幸せに出来るような“心構え”と“覚悟”をしっかり持った
プロになるための教育に力を入れていく。
そして、調理師という同じ道を目指す、若き「庖友」の活躍を
心から祈っているという。
(さすが上神田校長らしい発想!)
このレストラン“饌”も、学生たちにそんな価値観を直に体験して欲しい
という思いから、展開することに至ったに違いない。
これからもこのリアルのレストランが、多くの気づきと共に
プロの料理人へのさまざまなことを学生たちに学ばせてくれるはず。
ちなみに、その新宿の早朝清掃でも、グレーチング(側溝のどぶ板清掃)や
ゴミ拾いに一番能動的に取り組んでいるのが上神田校長自身。
この姿勢であり、取り組みこそがその人自身を創り上げているのだろう。