12/02
2013
脱・競合ビジネスへ
これこそまさに、「好きこそものの上手なれ」ならぬ、
「好きこそビジネスの上手なれ」ということだろうか。
先日お会いした株式会社フラットフォーの
小森社長のお話を聞いていると、
ふとそんな言葉が頭に浮かんだ。
株式会社フラットフォーは主にビートル
(通称:「カブトムシ」)をはじめとする
フォルクスワーゲンの部品や中古車を扱っている会社で、
何を隠そう、小森社長は大のビートル愛好家。
なんと、ビートルを解体して組み立て直すこともでき、
ボルト1本までどこに使われているのかが
わかるというほどの愛好っぷり。う~ん、実にスゴい!
以前は家業を継いで別の仕事をしていたという小森社長だが、
どうして好きなことを仕事にできたのだろうか。
小森社長はビートルが大好きで、
そのビートルを扱う仕事だから、楽しんで仕事ができるという。
そして、自分も好きだからこそ徹底的に極めているし、
お客さまである愛好家たちの気持ちもよく分かるので、
喜ばせるものをつくることができる。
さらに、趣味が高じてビートルに絞り込んだビジネスなんて
競合が存在しないのだ。
小森社長のビジネスのポイントは、
この“競合が存在しない”という点。
一般的な仕事はどうしたって競合だらけ。
たくさん競合があるから価格の競い合いになり、コスト意識も厳しくなる。
さらに、売り方も必要以上にシビアになり、
必然的に業界にだんだん疲弊感が漂ったりする。
すると、偽装や隠ぺい・贈賄につながってしまう場合も出てくるのだ。
しかし、競合がいないということは、
日本や世界にいる多くのビートル愛好家たちがお客さまとして対象となり、
良い値で販売することができる
(だからと言って高い値段をあえてつけることはないようだが…)。
そして、いつの間にか販売ルートまでもできてしまうのだ。
これこそ名付けて、『脱・競合ビジネス』。
これまで私が語っていた、「高みのビジネス」。
これは業界の中で、試行錯誤によって新しいノウハウを構築したり、
自分たちの技術をより磨いたりすることによって、
ビジネスを競合の少ない高みへ持っていくという考え方だった。
しかし、この“脱・競合ビジネス”は根本的に違い、
はじめから競合のいないフィールドでビジネスを展開しているのだ。
単に隙間をつけばいいというわけではない。
小森さんの場合は、趣味が高じてのものだったからこそ、
愛好家たちの心を掴むサービスや商品をつくることができているのだ。
小森社長“この仕事はどれをやっていても楽しいですよ”
だって! これが本当のビジネスなのかも…。
趣味を深めて突き詰めていくと素晴らしい仕事になる!?
そんなおいしく、甘い話があるわけない、と思うかもしれないが、
趣味が高じたビジネスの形もあるということ。