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07/13
2015

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野田岩流“肝吸いへのこだわり”

「私が今日お話したいのはうなぎではなく、
後ほど出てくる肝吸いの話です」

そう語ってくれたのは、
うなぎの老舗店・野田岩の
5代目である金本兼次郎氏。

創業して約200年、
ここでは徹底して素材にこだわった、
ほどよく脂ののった美味しいうなぎが食べられる!

年1回の会社の決算イベントを、
今年はこの老舗店で開催することができた。

その際に金本氏は、
なぜうなぎへのこだわりではなく、
“肝吸いへのこだわり”を語ってくれたのだろうか?

「日本料理屋は間口が広いが、うなぎ屋は間口がせまい。
野田岩の肝吸いは、日本料理屋の肝吸いとは
一線を画しています。なぜなら、間口がせまい分だけ
私たちには奥行きを求められるからです」

社員全員とゲストのみなさんが聞き入る中、
専門店ならではのこだわりをうかがえた。
なんとこの肝吸い、つくるときは必ず
一番出汁を使うのだそうだ(他の店ではまずないだろう)。

つまり、野田岩のこだわりは
うなぎそのものだけではなく、
当然、焼きを含めたそのプロセスにも及んでいるということ。

肝吸いひとつとっても、奥行きを出すことを忘れない。
まさにうなぎそのものについては、
推して知るべしということだろう。

金本氏は御歳87歳。
しかし話のテーマの選び方が面白く、
なかなか大きい声を出すことが難しいと伝えながらも、
思わず周りが聞き入ってしまう。

私は以前にも何度か野田岩を訪れて
金本氏のお話を聞かせていただいているのだが、
専門店としての役割、そしてプロとしてのこだわりが、
常に込められている話なのだ。

まさに先義後利!
これは自分たちの目先の繁盛だけではなく、
まさに業界のリーダーとしての意識を
しっかり持っているということ。

そういった価値観を徹底してきたからこそ、
創業から200年以上が経ったいまも
多くの人々に愛され、繁盛が続いているのだろう。

老舗うなぎ店が、うなぎだけではなく
肝吸いまでもこだわるその姿…。

私たちも本来プロとして、
目指さなければいけない手本ではないだろうか。
うまく儲けて、うまくブランディングしようとするだけではいけない。

プロとしてのこだわりを優先することこそ、
結果的に先義後利となり、
これから先へ長く続く店として残り続けるのだろう。
う~ん、これもまさしく仕事道だ!

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野田岩の5代目である金本氏

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みんな真剣に耳を傾けています

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こちらがこだわりぬいた肝吸い!

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