03/26
2018
「世界に日本という国があってよかった」
これは、1998年にノーベル経済学賞を受賞した
ハーバード大学のアマルティア・セン教授の言葉だ。
ビジ達でも取り上げている
『ハーバード日本史教室』佐藤智恵・著で紹介されている。
たとえリップサービスだとしても、
日本人としてとても嬉しい言葉である。
この書籍の中では、
アマルティア・セン教授のこんな話を紹介していた。
聖徳太子の十七条憲法には
「物事は一人で判断してはいけない。
必ずみんなで論議して判断しなさい」
という項目がある。
聖徳太子が活躍した600年頃には、
すでに日本には民主的な考えが浸透していたのだ。
イギリスの王権を制限した、
あのマグナ・カルタでさえも、制定されたのは1200年代である。
その点から見ても、先進的であるという。
また、日本が経済大国になれたのは教育水準にあり、
特にその高い識字率に注目している。
明治維新の頃でも、日本は出版大国であり、
それはなんとアメリカの2倍以上だったという。
さらに知識を持った人が多く暮らしている理由の一つに、
仏教の考えがあるという。
ブッダは1に知識、2に良い行い、3に信仰と言い、
何よりも知識を重要視しているからだ。
日頃から私たちもつい
「日本には世界にはない唯一無二の文化がある」
と言ってしまうが、
アマルティア・セン教授は、
このように色々なデータや歴史をもとに、
世界全体から見た場合の日本の特徴を示してくれている。
そして、
時代を築いたあの本田宗一郎氏や盛田昭夫氏も、
「ただ自分たちのビジネスが上手くいけば良い」
という考えではなかっただろう。
日本という国をさらに良くしたい、
という高い目線だったのではないだろうか。
だからこそ、世界をリードできる実績につながったのだ。
こんな価値観が働くのが、
日本なればこそであり、日本人の特徴なのだろう。
今後、
日本はもっと世界に対して存在意義を高めていけるのではないか。
今の日本は、里山の維持や環境問題、
労働力不足や高齢化など様々な社会問題を抱えている。
しかし、この諸問題を日本が先駆けて解決することこそが、
世界に対する大きな貢献につながるということ。
再び、
「世界に日本という国があってよかった」という言葉を聞けるよう、
10年、20年後の日本を楽しみにしていたい。