02/02
2015
日本の農業改革がシナジーをもたらす
「負の経済ドレス」
「日本列島疲弊論」
これらは、以前から私が提唱している、
日本の経済優先の社会システムによる
問題点を指摘したものだ。
「負の経済ドレス」とは、
社会が経済優先型に傾倒するほど、
利己的な企業が増え、
ストレス社会やモラルの欠如、
環境破壊などをもたらすということを、
ドレスの形をモチーフに図式化したもの。
また、「日本列島疲弊論」とは、
地方に大手流通企業などが台頭することで、
各地域の流通業が圧迫され、
結果、都心の大手企業にお金が集まってしまい、
地方が疲弊してしまうという考えだ。
このように、かつて経済発展を遂げた日本は、
その後に表面化してきた
多くの問題を抱えている
(少子高齢化もその1つといえるだろう)。
そんな中、私が注目しているのが
日本の「農業」だ。
現在、日本の食料自給率は40%にも満たないという。
それは、日本の農業が世界に比べて後進的であり、
まだまだ発展の余地があるともいえるだろう。
つまり、この「農業」をこれからの時代に合った
ビジネスへと改革することで、
問題の改善にもつながるかもしれない、ということだ。
例えば、ビジ達でも以前紹介した、
地域密着型ビジネスを展開する
“産直市場グリーンファーム”。
ここでは、多くの生産者たちが、
各々作った農産物などを販売している。
生産者の中には高齢者も多いのだが、
市場に訪れる人との交流もあるため、
生きがいを持ってイキイキと働いているという。
そして、その姿を見た息子や孫たちも、
農業への興味・関心を高めているそうだ。
まさに、地域産業の活性化だけでなく、
雇用をつくり、高齢化問題にも
一役買っていると言えるだろう。
また、日本の耕作放棄地を活かした
農業ビジネスを行っている株式会社マイファーム。
都会の人に向けた農業体験を提供することで、
“本当の豊かな暮らし”を伝えようとしている。
これにより、耕作放棄地の活用だけでなく、
農業の楽しさ、生活における
食の大切さを発信することにもつながるのだ。
これらの企業は、「農業」を通し、
これからの時代のビジネススタイルを
確立・実践しているといえるだろう。
ベンチャー企業として注目されているだけでなく、
そのビジネスがシナジーを生み、
地域の産業にも相乗効果をもたらしている。
これこそがこれからの日本が目指すべき
シナジービジネスなのではないのだろうか。
経済成長で様々な産業が発展した日本だが、
農業はまだまだ途上だ。
これまでにも紹介した「里山ビジネス」のように、
いまこそ地域に根ざした、
循環するビジネスを農業で実践するときだろう。