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シナジースペシャル

03/23
2015

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“十勝ワイン・ジェネシス”から

「慌てず、焦らず、諦めず」

これは、「十勝ワイン」の生みの親である
丸谷金保(まるたに・かねやす)氏の言葉。

「十勝ワイン」事業50周年を記念して
2013年に発行された冊子
『十勝ワイン・ジェネシス』に記されている。

この冊子は、先日十勝にある私の故郷へ赴いた際、
訪れた「池田ワイン城」にて、
内藤彰彦所長(池田町ブドウ・ブドウ酒研究所)から頂いたものだ。

内藤所長と話す中で、
「十勝ワイン」の起源(ジェネシス)と
そのプロセスについて知ることができた。

「十勝ワイン」は、北海道池田町にて、
国内初の自治体経営のワイナリーで生まれたワインだ。
誕生のきっかけとなったのが、
昭和20年代に十勝地方を襲った、
地震や冷害などの自然災害だ。

その苦境を脱するために当時の町長であった丸谷氏は、
野山に自生する山ブドウに着目。
農業振興策として、町ぐるみで
ブドウ栽培とワイン作りに取り組み、
品種改良を重ね、国内に限らず
海外にも評価されるワインへと育て上げたのだ。

…と、書くとさもスムーズに
事業が発展したかのように思えるかもしれない。
しかし、品質・量ともに満足のいくブドウが生まれるまでは、
冬の厳しい十勝の気候や施策に対する町民からの批判など、
多くの困難があったという。

そんな中、丸谷氏が信念にしていたのが、
冒頭で紹介した「慌てず、焦らず、諦めない」こと。
すぐに大きな結果を生み出せずとも、
この施策の成功が町にもたらす利益を見据え、
「百年かかるつもりで取り組もう」と決意し、
周囲を牽引していったという。

その結果、施策への賛同者は次第に増加。
いまや町ぐるみでワイン産業を支え、
国産ワインブランドとして全国に送り出される
「十勝ワイン」は多くの人に愛されている。

まさに、丸谷氏のリーダーとしての覚悟と情熱が
周囲に相乗効果をもたらした結果といえるだろう。

このように、ビジネスには当然のように
様々な困難が待ち受けている。
しかし、それを乗り越えていくためには、
リーダーの未来を見据えたビジネスへの視点と、
あきらめずに遂行する“覚悟”が必要不可欠だ。
なぜなら、リーダーシップが発揮されているビジネスには、
シナジーが生まれ、周囲を巻き込んで進化するからだ。

話によると、丸谷氏の長男である
丸谷智保(ともやす)氏は、
北海道では最大手のコンビニエンスストア
“セイコーマート”の社長として今も活躍しているという。

逆風にも負けず、困難にもあきらめない丸谷氏の姿は、
身近な家族にも大きな影響を与えていたのだろう。

何事においても、困難を乗り越え大成するには、
長期的な視点と、諦めずに真摯に取り組む姿勢で
チャレンジし続けることが何よりも大切なのだ。

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「十勝ワイン」の歴史がここに!

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歴史の深さは味に比例する

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どれも自慢の味だ

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諦めなかったからこそ“今”がある!

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