05/20
2013
GAFMAによる“ありがたみ”の失墜
経済動向における時代の価値観は、
おおよそ15年周期で転換期を迎える。
これは私が提唱している法則
“新パラダイムシフト15”の考え方だ
(ちなみに大枠となった“パラダイムシフト75”は、
5つのタームで構成されているという考え)。
現在、世の中は“インターネットGAFMA時代”。
GAFMA(ガフマ)というのは、皆さまもご存知の通り
Google、Amazon、Facebook、Microsoft、Apple
の米国IT企業大手5社のこと。
ここ15年の間に、インターネットによって
流通の歴史が大きく塗り替えられた。
しかし技術の躍進と同時に、さまざまな
“ありがたみ”が失われている気がしてならない。
先日、このところ注目されているという
「パンかけ醤油」なる商品が気になり
「どこへ行けば買えるのかな?」なんて
弊社のスタッフと話していた。
すると返ってきた答えは
「インターネットで買えるみたいですよ」。
違う違う~!
そりゃもちろん商品の味は気になるが、
それと同じくらいに知りたいことがある。
それはどこでどんな風に売られていてどんな評判があり、
どんな人たちが買っているかという
マーケティングに関わる部分なのだ。
これらの“ナマ”の情報は、
自ら足を運んで買いに行かないと得られない。
インターネット通販は便利だが、
商品に関わる人たちの姿や苦労が見えてこないと、
ものづくりに対する“ありがたみ”は薄れてしまう。
気づいたら、手間暇の節約を
優先するのが当たり前の時代になってしまったのだ。
確かに技術の躍進で世の中は効率的で便利になったが、
流通のプロセスで得られるはずのものが
少なくなっているのも事実だ。
本来であれば、欲しいものを手に入れようと
動き回っているうちに思わぬ出会いがあったり、
その行動が自然とトレーニングにもつながるだろう。
…これってもしかして人間活動を、
いや生態系をも壊しているのでは!?
インターネットさえあれば
どこにいても欲しいものや情報が手元に届く、
こんな時代だからこそ、本質的な“ありがたみ”は
きちんと認識しておきたいもの。
それがものづくりに対する敬意ということではないだろうか。