03/03
2014
『よりどり自販機の裏側』
銀座駅の改札を出ると、ふとあるものが目に入った。
それはなんと、「リンゴの自販機」だった
(ついにリンゴも自動販売機で売るようになったんだ~)。
リンゴが丸ごと売られているわけではない。
ご丁寧に皮がむかれ、カットまでされているのだ。
しかもそれらはすべて“青森県産”で、産地にこだわりもある。
ちょうど商品補充の時に居合わせたのだが、
たまたま通りかかった女性が「とても美味しかったわよ!」と、
補充員に声を掛けていた。
珍しさもあり、なかなか人気なのだろう。
このところの自販機はスゴい。
これまでの自販機と言えば、飲料販売というイメージ。
それからするとかなり進化(?)したと言っていいだろう。
気になる自販機を紹介していくと、
バナナの自販機にはじまり、
傘やワコールのブラジャー(男性も買い易い! ははっ)、
ソフトバンクのスマホ用アクセサリー。
京都には西陣織りのネクタイの自販機もあるのだ。
さらに、海外には釣り用のエサやピザ、
そして一番驚いたのが生きた上海ガニの自販機(これは私も現地で確認済み)。
どれも実にユニーク(そう言えば、日本にはカブトムシの販売機もあるそうだ)。
確かに便利で思わず利用したくなる自販機だが、
果たして本当に素晴らしいものなのだろうか。
ここからは中島流の客観的視点。
自販機の便利さの裏側には大きく4つの問題がある。
まずは一つ目は“ムダと浪費”だ。
誰もが経験したことがあるだろう、
自販機がなかったら買っていなかった、
買わなくてもいいのに買ってしまう…そんなシーンを創出している。
そしてもう一つは、“ゴミの増大”!
以前、大阪の淀川の清掃活動に参加した時のこと。
1時間半ほど掃除しただけで、
なんと45Lのゴミ袋1,800袋分もの
缶・ペットボトル等のゴミを回収した。
自販機での販売には当然パッケージングが大切になる。
そのパッケージがゴミと化すのだ。
また、この2つの物理的な問題の他に、人として失うものもある。
その一つが、“計画性の欠如”。
携帯電話の存在もそうだが、ついついそれらの機器に頼って、
計画を立てることをしなくなるのだ。
水筒やタンブラーを利用することは、
余計なお金も使わなくて済むし、ゴミも出ない。
もう一つが“我慢の欠如”。
初めからなければ諦めることができるものも、
そこに自販機があるがためについ買ってしまう。
現代の人たちは、子どもはもちろん大人たちも、
我慢できなくなっていると言ってもいいだろう。
自販機は確かに便利でワクワクさせてくれることもある。
しかし、あくまでも企業が「より売りたいがための道具」であり、
便利の裏側にはこうした問題や危険性がたくさん潜んでいる。
それをしっかりと捉えることもできずに、
“便利でいい世の中になったね~”
なんて言っていては人類の先行きは、
ますます暗雲が立ち込めてくるのだ。
今こそ、自販機をあてにしない、
便利さに惑わされない発想が重要なのではないだろうか。
でも、自販機のリンゴは一度試してみたいものだ(ポリポリ)。