12/01
2014
“返金保障”は斜陽の証
生鮮食品・満足保障プログラム!
“ど生鮮! 全額返金保障!”
あるスーパーマーケットの店内で、
吊り下げられた横断幕に書かれた
こんなキャッチフレーズ。
店内商品の鮮度や品質に不満があれば、
全額返金するキャンペーンだという。
この店はもともと「低価格」をウリにしており、
これによりお客さまからの満足度を
向上させようという狙いなのかもしれないが…。
私からすると、これはまったくの逆効果、
斜陽の証だと言える!
というのは、お客さまの本当の満足は、
接客や商品の品質、そして値段やアフターケアなどが、
トータルに合わさって生まれるから。
そして、それがカスタマー(常連客)になる
きっかけにもなるのだ。
なので“返金保障”などと
「お金」だけに注力したキャンペーンは、
「お客さま=お金(価格)だけで店を選んでいる」
と解釈されてもしょうがないのだ。
このキャンペーンの傾向は、家電量販店にも見られる。
例えば「他店で当店より安い価格で販売していた場合、
言ってくれたらそれ以下にします」というフレーズ
などが代表的なものだろう。
このように価格に照準を当てた集客姿勢は、
サービスのどこかにひずみを生み、
結果、多くのお客さまの
信頼を失うことにつながるのだ。
冒頭で紹介したスーパーマーケットは、
世界最大のスーパーマーケット
「ウォルマート」の傘下だというが、
近年その経営状況は思わしくないようだ。
実際、「低価格」を実現するために、
価格以外のサービスがしわ寄せを
受けてしまっていることは否めない
(スタッフが少ないこともあり機械的な接客だし、
野菜の上を虫が這っていたこともあった!)。
常にお客さまの立場に立った
サービスを提供し続けることが、
選ばれ続けるためには必要なのだ。
そんなスーパーマーケットの
サービスの質を測る1つの目安として、
私が提唱しているのが「集客アジ理論」。
これは、その店が提供している“アジフライ”の質で、
サービスに対する店の姿勢や
今後の経営を推察できるというもの。
アジフライは、決して高額ではないが、
味は店によって大きく違う。
美味しいアジフライを作るためには、
鮮度の良いアジを用意するのはもちろん、
調理の技術も必要だし、
お客さまの手に渡るまでの品質管理も重要だからだ
(うんうん、すばらしい理論だ)。
つまり、美味しいアジフライを提供している店は、
それ以外の商品やサービスも質が高いということなのだ
(今回の店のアジフライは…言わずもがな)。
価格だけでなく、手間をかけ
お客さま本来の満足につながるサービスを展開しないことには、
お客さまをカスタマーにすることはできないのだ。
食品店に限らずどのビジネスにおいても、
価格を重要視しすぎることは、サービスや品質の劣化にもつながる。
すると、それまでのカスタマーまで
逃がしてしまう可能性が出てきてしまう。
目先の集客ではなく、サービス全体の品質向上こそが、
お客さまから選ばれ続けるための「理由」となるのだ。